日本のデパートが「別世界」に感じられる理由
「デパート」という言葉から想像するものとは、少し違うかもしれません。日本のデパートには、多くの旅行者が驚くほどの格式と段取りがあります。一部の店ではエレベーターに白い手袋の案内係がいて、各階の案内は決まった言い回しで行われます。地下のデパ地下には、専門店の売り場がぎっしり並んでいます。そのすべてが、店員とお客さんの間の暗黙の約束の上に成り立っています。店員は手厚いサービスを提供し、お客さんもそれにふさわしく振る舞う、という約束です。
そのことがいちばんよくわかるのが、開店時のお出迎えです。開店時刻ちょうどに、店員が入口に並んで、入ってくるお客さんにお辞儀をします。これは演出ではありません。会釈もせずに通り抜けるのは、ドアを押さえてくれている人を無視して通り過ぎるようなものです。2秒の会釈で十分です。
デパ地下は、ほかの売り場とは少し違う目で見るといいでしょう。半分は市場、半分は見せる場所です。美術品のように並んだ和菓子、贈答用の季節の果物。どの売り場にも店員がいます。店員が小さな試食を差し出し、どこで採れたものかを説明してくれるとき、それは単なる試食ではありません。何を食べているのかに関心を持ってほしい、という気持ちが込められています。ちゃんと耳を傾けて、お礼を言い、試食はひとつだけ。3つももらうものではありません。
デパートで覚えておくことはひとつだけ。店員の心配りに、こちらも同じくらいの気配りで応えることです。
知っておくと役立つこと
- 返品は厳しい — 日本の接客が手厚いので、返品にも同じように融通をきかせてくれると思いがちですが、そうでないことが多いのです。レシートを持っていき、条件は店や売り場によって違うと考え、セール品は返品できないものと思っておきましょう。「気が変わった」には、とても丁寧に、でもきっぱりと断られるかもしれません。
- 季節の催しには、それぞれの作法がある — 初売り(たいてい1月2日から)の福袋、バレンタインのチョコレート売り場、お中元やお歳暮の贈り物の季節などです。これらは欧米でいう「セール」とは違い、それぞれにふさわしい振る舞いがある行事です。福袋の列で押したり奪い合ったりすると、冷たい視線を浴びます。
- 試着室のカーテン — 試着室のカーテンを開ける前に、カーテンが閉まっていないか、前に靴が脱いでないか(使用中によくある目印です)を確かめましょう。鍵のかからないカーテンでも、中に人がいることがあります。
- まず免税カウンターへ — 大きめのデパートの多くには、外国人旅行者向けの免税カウンターがあります(詳しくは免税ショッピングの記事を参照)。各フロアのレジとは別の場所にあるので、店を出る前に、パスポートとレシートを持って立ち寄りましょう。2026年11月1日からは、レジで消費税込みの価格を払い、空港での税関確認のあとで税金が還付される仕組みになります。ただし、お店で免税の購入として記録してもらっていることが条件です。
クイズで確認
デパートでの振る舞いが身についたか、3問で確かめてみましょう。