日本の贈り物は包装も中身の一部

日本では、どう包まれているかが中身と同じくらい大切です。乱暴に包みを破る、包装を断る、地味な白い紙で包む。どれも思わぬ誤解を招くことがあります。

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袋や包装を断る

土産物店のレジで店員が差し出す袋を手で断り、包装のない箱をそのまま自分のリュックに入れている観光客
NG

袋を断ったり、包装なしでお店を出たりする

お土産物屋さんで「袋に入れますか?」と聞かれたときに、贈るつもりの品なのに袋や包装を手を振って断ると、雑な印象に見えることがあります。袋や包装はおまけではありません。ただの買い物ではなく、贈り物として買ったことを示すものです。品物をむき出しのまま持ち帰ると、あとできちんと渡すのも難しくなります。

土産物店のレジでうなずく観光客の前で、店員が箱に紙を折りかけ、店の袋に入れている
OK

贈り物を買うときは、包装と袋をお願いする

包装はお店にまかせましょう。特に百貨店の包装は見事なことが多く、それ自体がひとつの技です。贈り物にするなら、包装も贈り物の一部です。袋は少額の有料になっているお店もあります。「はい、お願いします」と言うだけで大丈夫です。

もらってすぐに開ける

手渡された瞬間に包み紙を破って開ける観光客と、こわばった笑顔でそれを見ている贈り主
NG

渡された瞬間に包みを破って開ける

贈り物をすぐに開けて大喜びしてみせる、という欧米の習慣は、日本ではそのまま通用しません。日本では、贈り主が帰るまで開けずに待つのが昔ながらのやり方だという人が多く、目の前で開けると相手に気を使わせてしまうことがあります。あなたの表情から気持ちが読み取れなかったら? 期待していたものと違ったら? 誰も望んでいない、張りつめた空気をつくってしまうのです。

包装された贈り物を両手と小さなお辞儀で受け取り、開けずに脇へ置いている観光客
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丁寧に受け取り、あとで一人のときに開ける

両手で、軽くお辞儀をしながら受け取ります。「ありがとうございます」と言って、脇に置いておきましょう。あとで開けるのは冷たい態度ではなく、気配りです。親しい友人とのくだけた場で、相手が欧米式にその場で開けるタイプなら合わせてもかまいませんが、よく知らない相手なら「あとで開ける」にしておけば安心です。

白い紙で包む、4つ組で贈る

白い無地の紙で包んだ贈り物を差し出す観光客と、その横に並んだ同じ小箱が四つ
NG

自分で包むときに真っ白な紙を使う、または4つ組で贈る

真っ白な包装や地味な色の包装は、お悔やみの品によく使われます(たいてい黒白の水引をかけます)。そのため普通の贈り物に使うと、しめっぽく見えることがあります。4つ組の贈り物も避けられることが多く、「し」が「死」と同じ音だからです。うっかりやってしまっても騒ぎになることはありませんが、なんとなく居心地の悪さが残ります。避けられるなら避けたいところです。

明るい柄の紙で包んだ贈り物を差し出す観光客と、その横に並んだ同じ小箱が三つ
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明るい包装紙を使い、3つ・5つ・7つ組で贈る

贈り物では、昔から奇数が縁起がいいとされていて、3、5、7がよく選ばれます。自分で包むなら、暖かい色の柄物の紙を選びましょう。お店で買うなら、包装はお店にまかせてください。場面にふさわしい包み方をよく知っています。

片手で、あまりに気軽に渡す

片手でスマートフォンをスクロールしながら、もう片方の手で日本人男性へ贈り物を押しやっている観光客
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スマホでも手渡すように、片手で贈り物を渡す

片手で贈り物を渡すと、ぞんざいに見えることがあります。改まった仕草で渡すこと自体に意味があるのです。くだけた場面であっても、片手でスマホをいじりながらもう片方の手で贈り物を渡せば、周りの人はちゃんと気づいています。

贈り物を両手で持ち、小さくお辞儀をしながら日本人男性へ手渡している観光客
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両手で持ち、相手の目を見て、軽くお辞儀をする

贈り物に両手を添えて軽くお辞儀をし、改まった場なら「つまらないものですが」や「気持ちばかりですが」とひとこと添えます。受け取るときも同じで、両手で受け取り、お辞儀をしてお礼を言います。お互いの気持ちを確かめ合う、ささやかなひとときです。

日本では、なぜ包装がコミュニケーションになるのか

日本では、贈り物をどう差し出すかが大きな意味を持ちます。贈り物の包装は、そのいちばん目に見える部分のひとつです。折り目がきれいに揃っているか、紙の質はどうか、熨斗(改まった贈り物に付ける飾り)が付いているか。そのすべてが、贈ることをどれだけ大切に考えたかを相手に伝えます。雑に袋に放り込まれた品物は、中身がどれほど素敵でも、受け取った人の気持ちを少ししぼませてしまいます。

百貨店のスタッフは、きちんと整った包みを手早く、手際よく仕上げてくれます。**最初に相手に届くのは包装です。**人は贈り物そのものを見る前に包みを手に取り、その包みがもう贈り主について何かを語っています。できるだけプロにまかせましょう。

日本では、包装は飾りではありません。贈り物をめぐる会話の、最初のひとことです。

色と数の落とし穴

  • 白い紙 — 真っ白やグレーなど地味な色の包装に黒白の水引をかけるのは、お悔やみの品によくある包み方です。そのため普通の贈り物に使うと、しめっぽく見えることがあります。
  • 4つセット — 「四(し)」は「死」と同じ音で、「九(く)」は「苦」に通じます。3つ、5つ、7つなら安心です。
  • その場で開ける — 受け取ってすぐ包みを破って開ける欧米式の習慣は、日本ではなじみません。あとで開ければ、その場で喜びを「演じる」気づまりを、どちらの側も味わわずに済みます。ありがたく受け取って、開けるのは一人になってからにしましょう。

知っておくと役立つこと

  • 熨斗(のし) — 改まった贈り物に付ける正式な飾りです。結婚祝いや新築祝いなど、改まった場面で人の家に贈り物を持っていくなら、お店で熨斗を付けてもらいましょう。用途を伝えれば、ふさわしい表書きを書いてくれます。お見舞いの品には、熨斗を付けないことが多いです。お店で「お見舞いです」と伝えれば大丈夫です。改まった場では省略しないようにしましょう。
  • 「つまらないものですが」 — 直訳すれば「退屈なものですが…」。改まった場で贈り物を渡すときに使う、決まり文句の謙遜表現です。本当に贈り物をつまらないと言っているわけではありません。最近は、けなしているように聞こえる心配のない「気持ちばかりですが」を好む人もいます。親しい友人には使わなくていいですが、特に敬意を示したい相手には使いましょう。
  • 風呂敷 — 物を包むのに使う、伝統的な正方形の布です。くり返し使える包み方として、あらためて注目されています。風呂敷に包んだ贈り物をもらったら、風呂敷を返すのか、そのままもらっていいのかは場合によるので、聞いてみましょう。
  • 百貨店なら包装は無料のことが多い — 大手のデパートでは、贈り物として買った品物をたいてい無料で包装してくれます。「贈り物です」と伝えれば、あとはお店がやってくれます。

クイズで確認

包装のマナーを3問でおさらいしましょう。20秒ほどで終わります。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 日本で贈り物をもらったら、その場ですぐに開けるべき?

  2. Q2 日本の贈り物に、白い包装紙を使っても大丈夫?

  3. Q3 日本で贈り物を受け取るときは、両手を使うべき?