日本では、なぜ包装がコミュニケーションになるのか
日本では、贈り物をどう差し出すかが大きな意味を持ちます。贈り物の包装は、そのいちばん目に見える部分のひとつです。折り目がきれいに揃っているか、紙の質はどうか、熨斗(改まった贈り物に付ける飾り)が付いているか。そのすべてが、贈ることをどれだけ大切に考えたかを相手に伝えます。雑に袋に放り込まれた品物は、中身がどれほど素敵でも、受け取った人の気持ちを少ししぼませてしまいます。
百貨店のスタッフは、きちんと整った包みを手早く、手際よく仕上げてくれます。**最初に相手に届くのは包装です。**人は贈り物そのものを見る前に包みを手に取り、その包みがもう贈り主について何かを語っています。できるだけプロにまかせましょう。
日本では、包装は飾りではありません。贈り物をめぐる会話の、最初のひとことです。
色と数の落とし穴
- 白い紙 — 真っ白やグレーなど地味な色の包装に黒白の水引をかけるのは、お悔やみの品によくある包み方です。そのため普通の贈り物に使うと、しめっぽく見えることがあります。
- 4つセット — 「四(し)」は「死」と同じ音で、「九(く)」は「苦」に通じます。3つ、5つ、7つなら安心です。
- その場で開ける — 受け取ってすぐ包みを破って開ける欧米式の習慣は、日本ではなじみません。あとで開ければ、その場で喜びを「演じる」気づまりを、どちらの側も味わわずに済みます。ありがたく受け取って、開けるのは一人になってからにしましょう。
知っておくと役立つこと
- 熨斗(のし) — 改まった贈り物に付ける正式な飾りです。結婚祝いや新築祝いなど、改まった場面で人の家に贈り物を持っていくなら、お店で熨斗を付けてもらいましょう。用途を伝えれば、ふさわしい表書きを書いてくれます。お見舞いの品には、熨斗を付けないことが多いです。お店で「お見舞いです」と伝えれば大丈夫です。改まった場では省略しないようにしましょう。
- 「つまらないものですが」 — 直訳すれば「退屈なものですが…」。改まった場で贈り物を渡すときに使う、決まり文句の謙遜表現です。本当に贈り物をつまらないと言っているわけではありません。最近は、けなしているように聞こえる心配のない「気持ちばかりですが」を好む人もいます。親しい友人には使わなくていいですが、特に敬意を示したい相手には使いましょう。
- 風呂敷 — 物を包むのに使う、伝統的な正方形の布です。くり返し使える包み方として、あらためて注目されています。風呂敷に包んだ贈り物をもらったら、風呂敷を返すのか、そのままもらっていいのかは場合によるので、聞いてみましょう。
- 百貨店なら包装は無料のことが多い — 大手のデパートでは、贈り物として買った品物をたいてい無料で包装してくれます。「贈り物です」と伝えれば、あとはお店がやってくれます。
クイズで確認
包装のマナーを3問でおさらいしましょう。20秒ほどで終わります。