日本のプロ野球観戦マナー:応援していい回、座っていい席、ゲートで止められるもの

ブラスバンド、そろった応援歌、背中に樽を担いだ売り子。日本のプロ野球は日本で体験できるいちばん楽しいものの一つですが、あの騒がしさには厳密なルールがあり、チケットが「どちらを応援していいか」を決め、ゲートの荷物チェックは想像より厳しい。実際の仕組みを説明します。

好きなタイミングで声を出す

相手チームの打席中に一人だけ立ち上がって叫んでいる観客と、静かに座っている周囲
NG

相手チームの攻撃中に自分のチームを大声で応援する

海外の球場では歓声は基本的に自由です。いいプレーがあれば、どちらのチームであっても声が出ます。日本の野球はそうではありません。それぞれのチームのファンは、原則として自分のチームの攻撃中だけ声を出します。トランペット、太鼓、大旗を持った応援団(おうえんだん)がそれを率いていて、自分のチームが守っているあいだ、その一角は比較的静かになり、球場の反対側が始めます。相手の打席中に叫び続けたり、打者にブーイングを浴びせたりすると、何千人もが合わせているリズムを一人で壊すことになります。

トランペットの合図に合わせて一斉に手拍子する応援席と、打席に入る打者
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自分の攻撃で声を出し、相手の番は休む。トランペットについていく

応援団の動きを見て、それをまねするだけで十分です。自分のチームの攻撃になるとトランペットがその選手の応援歌(おうえんか)を始め、一角が決まったリズムで手拍子を打ち、全員が打者の名前をコールします。混ざってください。下手でも構いませんし、一拍遅れている外国人を気にする人はいません。攻守が入れ替わったら座って、ビールを飲んで、相手側の番にします。同じチャントが一晩じゅう繰り返されるので、4回にはだいたい覚えています。ブーイングはしないこと。打ち込まれた投手も、降板するときには拍手で送られます。⚾

違う色のユニフォームで違う席に座る

ホーム応援席でビジターのユニフォームを着て一人だけ立ち上がって喜ぶ観客と、それを見る周囲
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ホーム側の応援席にビジターチームのユニフォームで座る

日本の球場は、観客を応援するチームごとに他国よりずっと厳密に分けます。ビジター応援席は2015年に全12球団に導入され、ルールは双方向です。ホーム応援エリアではビジターチームのグッズの持ち込み・着用が断られ、ビジター応援エリアではホームチームのグッズが同じように断られます。近年は、その試合に関係ない第三の球団のグッズまで着用不可にする球団も増えています。ネットで安そうな席を適当に買って、当日ビジターの帽子で行くと、スタッフに外すよう頼まれることがありますし、少なくとも周囲全員が黙っている場面で一人だけ喜ぶことになります。

試合前に球場のショップでホームチームのユニフォームと応援メガホンを買う来場者
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チケットを買う前にどちら側か決める

応援するチームを決めてから、その側の席を買います。チケット販売ページには明記されていて、ビジター応援席はたいてい外野の一区画です。特にどちらでもない場合は内野指定席が中立でおすすめです。どちらの応援も楽しめて、自分が何かを演じる必要もありません。レプリカユニフォームや応援メガホンは球場内で売っているので、着いてから地元チームのグッズを買えば、その場でなじめます。🎽

ゲートの前でコンビニに寄る

缶ビールを持った来場者をゲートで止めるスタッフと、後ろに並ぶ列
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缶ビールを持って行って、紙コップに移してもらえると思っている

荷物チェックは実際にありますし、しっかり見られます。缶とビンはほぼすべてのプロ野球の球場で持ち込み禁止で、東京ドームをはじめアルコール類の持ち込み自体を禁止している球場も多いです。古いガイドブックやブログには「入口で紙コップに移せばいい」と今でも書かれていますが、そのサービスは廃止されました。神宮球場は2020年シーズンを最後に終了、甲子園でもコップの提供はなく、エスコンフィールドは移し替えもお預かりも行わないと明記しています。缶を持って行った場合、その場で飲み切るか捨てるかの二択です。

背中にビール樽を担いだ売り子が、席に座った客のカップに注いでいる様子
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その球場のページを見てから買う。酒は中で買う

ルールは球場ごとにかなり違うので、「日本の野球」ではなくその球場を調べてから買い出しに行きます。東京ドームは1,000ml以下(凍らせていないもの)のペットボトルと普通の食べ物は持ち込み可、ただしアルコールと匂いの強いもの・汁の出るものは不可。北海道のエスコンフィールドは外部の飲食物をほぼ全面的に禁止しています。お酒は中で買えば済みます。背中にビール樽を担いだ売り子が通路を回っていて、1イニングもあれば近くに来ます。手を挙げて呼びましょう。キャッシュレス対応の売り子も増えましたが、小銭は持っておくと安心です。🍺

席は勝手にきれいになると思っている

空のカップと弁当の容器が散らばったまま観客が去っていく指定席の列
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指定席でプレー中に立ち上がる、ゴミを置いて帰る

別々の、しかしどちらもよくある失敗です。ひとつは視界をふさぐこと。外野の応援席では全員が試合中ずっと立っていて、それが正解ですが、内野指定席ではプレー中は座っているのが普通で、打席の途中に立ち上がってビールを買いに前を横切ると本気で嫌がられます。もうひとつはゴミ。日本の観客は自分の一角をほぼ元通りにして帰るので、弁当の容器やカップ、焼き鳥の串が残った列は、その瞬間に「観光客の列」として目立ちます。

カップと容器をまとめて分別ボックスへ運び、きれいになった列を後にする観客
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周りに合わせる。移動はイニングの合間に。ゴミは全部持って出る

隣の人がどうしているかを見ます。立つ席なら立つ、座る席なら座って、ビールやトイレはイニングの合間に済ませます。帰るときは全部集めること。カップ、容器、串、座席の下の袋まで。コンコースの分別ボックス(燃えるゴミ、プラスチック、缶、多くの球場では液体を捨てる場所も別にあります)へ持って行きます。試合後は球場スタッフや清掃ボランティアが一気に回るので、何もない列を渡すのが普通の姿です。🧹

うるさい。そのうるささにルールがある

日本のプロ野球(NPB)は、日本で過ごす一日としてかなりお得です。チケットは国際的に見て安く、球場の食べ物はよくできていて、雰囲気は静かな午後の球場よりサッカーのゴール裏に近い。初めて行く人が驚くのは、その騒がしさが組織されていることです。観客がそれぞれ反応しているのではなく、何千人もが共有された段取りを実行していて、そこには指揮者がいます。

その指揮者が応援団です。たいてい外野に陣取り、トランペット、太鼓、大きな旗を持っています。一軍の選手にはそれぞれ歌詞つきの応援歌があり、打者が変わるたびに曲も切り替わります。

攻撃中だけ、というルール

覚えるべきことはひとつ。声を出すのは自分のチームの攻撃中で、守備中ではありません。 自分の側が打っているあいだ、そのスタンドは金管と声の壁になります。守備に回ると、その一角は落ち着き、相手側のスタンドが始めます。これが半イニングごとに、試合が終わるまで入れ替わります。

日本の野球にブーイングがほとんど存在しないのはこのためです。打ち込まれた投手も拍手で送られます。エネルギーは、相手を揺さぶることではなく自分のチームを押すことに向けます。

どこに座るかが、どちらを応援するかになる

座席は、来場者が思っている以上に「所属」で分かれています。外野スタンドはホームとビジター応援席に分かれていて(2015年に全12球団が導入)、球団は双方向に運用します。ホームエリアでは相手のグッズが、ビジター席ではホームのグッズが断られます。チームは着いてからではなく、チケットを買うときに決めておきます。

どちらでもないなら内野指定席が中立です。見やすく、座って観られて、チャントの義務もありません。

7回

ラッキーセブンが見せ場です。ホームの応援席が7回裏の前に球団歌を歌い、球場によってはジェット風船を一斉に飛ばします。この風船は2020年にプロ野球全体で中止となり、復活の状況は球団ごとにばらばらです。阪神は7シーズンぶりに2026年シーズンから甲子園で再開し、口で膨らませる代わりに専用ポンプを使う方式に変えました。つまり球団と球場次第なので、売っているのを見かけたら中で買い、周りが膨らませ始めるかどうかを見て合わせるのが確実です。ヤクルトファンはまた別で、小さい傘を開いて『東京音頭』を歌います。

入るときと、出るとき

荷物チェックは標準です。細かい条件はリーグ共通ではなく球場ごとに決まっています。缶とビンはどこでも不可、アルコールの持ち込みを禁止する球場も多く、ペットボトルと普通の食べ物は可の球場(東京ドームは1,000mlまで)と不可の球場(エスコンフィールド)があります。ネットで見かける紙コップへの移し替えは、もうありません。前日にその球場のページを確認してください。中に入れば売り子が見つけてくれるので、手を挙げるだけです。

帰りは全部持って出て、分別ボックスを使います。残していく列が、最後の印象になります。

確認クイズ

正しい回に、正しい席で声を出せるか、3問で確認しましょう。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 相手チームの攻撃中に、自分のチームを大声で応援していいですか?

  2. Q2 缶ビールを持って行くと、ゲートで止められますか?

  3. Q3 外野の応援席なら、好きなときに立ち上がっても大丈夫ですか?