上座と下座:どこに座る(立つ)べき? 上司を不快にさせない席のルール

日本には、会議室にもタクシーにもエレベーターにもお店にも、目に見えない席順があります。それが上座と下座です。接待の席で違う場所に座ってしまうと、周りをひそかに戸惑わせてしまいます。4つの場面すべてに共通する、たったひとつのルールを紹介します。

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お客さんや目下の立場なのに、会議室の上座に座る

ホスト側がドア近くでためらうなか、会議室のいちばん奥の立派な椅子に堂々と座る訪問者
NG

部屋に入るなり、いちばん良さそうな椅子に座ってしまう

日本の会議室に入ると、眺めがよくて座り心地のよさそうな椅子や、いちばん近くの空いている席に座りたくなります。でも、どの部屋にも上座と下座があり、目下の人や案内されていないお客さんが上座に座ると、何も知らないか、図々しいかのどちらかに見えてしまいます。床の間のある和室なら、上座は床の間のすぐ前の席なので、勝手にそこに座るといっそう目立ちます。誰も注意はしませんが、その場にいる目上の人はたぶん気づいています。

ホストが客を会議室の奥の席へ案内し、下の立場の人が入口に最も近い椅子に座る様子
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「ドアからいちばん遠い席」が上座だと知っておき、案内を待つ

ルールは位置で決まります。上座はドアからいちばん遠い席(和室なら床の間の前)、下座はドアにいちばん近い席です。いちばん目上の人や主賓が上座に、目下の人が入口近くの下座に座ります。訪問したお客さんなら、たいてい「どうぞ、奥へ」と上座に案内されます。自分から座らずに案内を待ち、勧められたら素直に座るのがスマートです。自分が迎える側の目下の立場なら、まっすぐ入口近くの席に向かいましょう。🪑

タクシーに適当な順番で乗り込む

目上の人が助手席に向かい、ビジネスパーソン4人がばらばらにタクシーへ乗り込む様子
NG

みんな好きな席に乗る、または目上の人が助手席に座る

4人で1台のタクシーに乗るとき、それぞれ適当に乗り込んでしまう。あるいは上司が「気さくに」と助手席に座ってしまう。ビジネスの場では、これで席順がめちゃくちゃになります。実は助手席は下座、つまりいちばん下の席です。運転手とのやりとりや道順、支払いを担当する席だからです。いちばん目上の人をそこに座らせたり、席を成り行きに任せたりすると、周りがひそかに意識している上下関係を逆さまにしてしまいます。

目上の人がタクシー運転手の後ろに座り、下の立場の人が助手席で運転手と話す様子
OK

目上の人は運転席の後ろへ、目下の人は助手席で段取りを担当

一般的な4人乗りのタクシーでは、上座は運転席の真後ろの席で、いちばん目上の人が座ります。下座は助手席で、いちばん目下の人が座り、支払いをしたり、運転手に道を伝えたり、やりとりを引き受けたりします。後部座席の真ん中はいちばん窮屈で、後ろの席の中では最も下の席です。ひとつだけ覚えておきたい例外があります。迎える側の人が自分で運転する車では、マナーが逆になります。運転してくれる人の隣、つまり助手席が礼儀にかなった席になります。運転手のような扱いにしないためです。🚕

エレベーターで好きな場所に立ち、誰も操作しない

エレベーターでばらばらに立ち、目上の人が他の人の前に手を伸ばしてボタンを押す様子
NG

目下の人が奥の隅に立ち、誰もボタンの操作をしない

みんなでエレベーターに乗り込み、全員が前を向いている。いちばん若い人は奥で何もせず、目上の人が操作盤の前でぎこちなくボタンを押している。日本の席順の考え方では、これは逆です。操作盤の前は下座、つまりいちばん下の位置です。そこは特等席ではなく、仕事をする場所だからです。目上の人に自分で階のボタンを押させてしまうのが、ここでのちょっとした失敗です。

下の立場の人がエレベーターの操作盤の前でドアを押さえ、目上の人が奥の隅に立つ様子
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目下の人が操作盤の前に立ち、ドアの開け閉めを担当する

いちばん目下の人が操作盤の前に立ちます。最初に乗り込み、行き先の階のボタンを押し、「開」ボタンを押してドアを押さえ、みんなが先に降りられるよう最後に降ります。上座は操作盤から離れた奥で、たいていは奥の左の隅です。目上の人はそこに立って、ただ乗っていればいいのです。つまりエレベーターでは、上座は文字どおりボタンからいちばん遠い場所。ほかの場面と同じく、「仕事から遠く、ドアから遠い」席が上座です。🛗

お客さんを入口近くに座らせ、宴会で誰もお酌をしない

下の立場の人が奥の席でくつろぐ一方、目上の客が騒がしい店の入口とトイレ動線の近くに座らされる様子
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目上の人を入口やトイレへの通り道に座らせ、目下の人はお酌もしない

お店や宴会(和室の座敷など)でよくある失敗は、目上のお客さんを成り行きで座らせてしまうことです。たいていは入口近くの空いた席になりますが、そこはトイレに行く人が通る場所で、入口からの冷たいすきま風も当たります。その一方で、目下の人が奥の居心地のいい席に落ち着いて、もてなされるのを待っている。これはまるで逆の配置です。いちばん大切にすべき人が、いちばん騒がしく、すきま風が当たる落ち着かない席で、自分でお酒を注ぐことになってしまいます。

目上の客が床の間近くのいちばん奥の和室の席に座り、ドア際の下の立場の人が両手でお酌する様子
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目上の人は部屋の奥へ、目下の人は入口近くに座ってお酌をする

目上の人やお客さんは上座に座ってもらいます。入口からいちばん奥の、すきま風が当たらない席で、和室の座敷なら床の間の側です。目下の人は入口近くの下座に座り、店員を呼んだり、注文をまとめたり、みんなにお酌をしたりします。お酌をするときは瓶を両手で持ち、注いでもらうときはグラスを両手で持ちましょう。4つの場面すべてに共通するのは、ドアから遠いほど上の席、ドアに近い席は働く人の席、ということ。これさえ覚えておけば、ほぼ間違えません。🍶

ひとつのルール、4つの場面

日本では、改まった場やビジネスの場の多くに、目に見えない席順があります。一度気づくと、あらゆる場面で目につくようになります。覚えておく言葉は二つだけ。上の席である上座と、下の席である下座です。いちばん目上の人や主賓は上座に、いちばん目下の人は、実際に動いて働く下座に座ります。

これは主にビジネスや改まった会食での話で、友人同士ならふつうは関係ありません。でも、会議や会社でのタクシー移動、同僚と乗るエレベーター、仕事の会食となると、その場の誰もが、誰がどこに座るかをひそかに見ています。間違えても誰も何も言いませんが、気づかれてはいます。

すべてに共通するひとつの考え方

ほぼ毎回正しく判断できるコツはこれです。上の席はドアからいちばん遠く、働く席はドアにいちばん近い。

  • 会議室 — 上座は部屋のいちばん奥(和室なら床の間の前)、下座は入口の近く。
  • お店・宴会 — 考え方は同じです。目上の人は、すきま風が当たらない奥の席へ。目下の人は入口近くに座り、店員を呼んだりお酌をしたりします。
  • エレベーター — 上座は操作盤から離れた奥の隅。目下の人が操作盤の前に立って、ボタンを操作します。
  • タクシー — 上座は運転席の後ろ、下座は助手席で、目下の人が支払いや道案内を担当します。

つまずきやすいのはタクシーです。文化によっては、前の席が格上の席だと感じられるからです。日本ではその逆で、前の席は役目を担う席です。(ただし例外に注意。迎える側の人が自分の車を運転しているなら、隣の助手席に座るのが礼儀です。運転手のような扱いにしないためです。)

旅行者は実際にどうすればいい?

自分がお客さんの立場なら、いちばん賢いのは、少し様子を見ることです。すぐに席に着こうとせず、案内を待ちましょう。迎える側の人は、たいてい「どうぞ」と奥の席を手で示して、上座に案内してくれます。そうしたら、素直にその席に座りましょう。

自分が目下や迎える側の立場なら、その逆です。入口の近く、操作盤の前、タクシーの助手席に向かいましょう。働く役目を自分から引き受ければ、気が利いて思いやりのある人だと受け取ってもらえます。

最後に、3問のクイズで確かめておきましょう。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 会議室では、ドアからいちばん遠い席が上座?

  2. Q2 4人乗りのタクシーでは、いちばん目上の人が助手席に座るべき?

  3. Q3 エレベーターでは、操作盤の前に立つのが下座?