日本の贈り物ルール — 観光客が見落としがちな3つのマナー

渡すときは両手で、もらったら相手が帰るまで開けない、4つ組は避ける。こうした小さなことで、贈り物の伝わり方が変わります。

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片手で贈り物を渡す

よそを見たまま、包装された贈り物を片手で横向きに差し出している観光客
NG

包んだ贈り物を、片手でひょいと渡す

日本では、贈り物を片手で渡すと、雑で、その場を軽く扱っているように見えてしまいます。両手で差し出すのは、「この贈り物は大切なもので、あなたに渡すこの瞬間も大切です」という気持ちを形で表す動作です。たとえ小さな贈り物でも片手で渡すと、やりとり全体が台無しになり、受け取った人に「ついでに渡されたのかな」と感じさせてしまうことがあります。

包装された贈り物を両手で持ち、小さくお辞儀をしながら差し出している観光客
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両手で持って軽くお辞儀をし、ひとこと添えて渡す

贈り物は両手で持ちます。両側から持っても、片手を下に添えて支えてもかまいません。相手のほうへ差し出しながら軽くお辞儀をして、「つまらないものですが…」や、シンプルに「どうぞ」とひとこと添えます。受け取る側も両手で受け取ってお辞儀を返し、「ありがとうございます」と言います。全体をゆっくり、丁寧に行うのがポイントです。

贈り主の目の前ですぐに開ける

贈り主の目の前で包装を破って開ける観光客と、身振りのまま固まってしまう贈り主
NG

喜んでいることを伝えようと、もらってすぐに包みを開ける

欧米の多くの国では、贈り物をその場で開けて大げさに喜ぶのが礼儀とされています。贈り物と、それを選んでくれた相手の手間に感謝していることが伝わるからです。日本ではその逆になることがよくあります。断りなくその場で開けるのは、昔からマナー違反とされてきました。お互いにどう反応すればいいか気まずい時間が生まれてしまうし、贈るという気持ちよりも品物のほうが前に出てしまう、と感じる人が多いのです。

包装された贈り物を両手とお辞儀で受け取り、包みのままテーブルの脇に置いている観光客
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お礼を言って受け取り、脇に置いておき、相手が帰ってから開ける

両手で受け取ってお辞儀をし、「ありがとうございます」と言います。贈り物はテーブルや机、お盆の上など、脇に置いておきましょう。そのまま会話や訪問を続け、贈り主が帰ったあとや一人になったときに開けます。どうしても中身が気になって、その場で喜びを伝えたいなら、「開けてもいいですか?」と聞いてみてください。たいていは「どうぞ」と言ってもらえますが、大事なのは聞くことそのものです。

4つ組など、縁起の悪い贈り物をする

同じ茶碗がちょうど四つ入った贈答用の箱を、四つとも見えるように差し出している観光客
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箸4膳、茶碗4客など、4つ組の贈り物をする

日本語では、4(し)は「死」と同じ音なので、4つ組の贈り物は縁起が悪いとされています。同じように、9(く)は「苦」に通じます。3つ、5つ、7つのセットのほうが無難です。夫婦や家族のためにお皿やカップを4つ組で贈るのは、善意からでも少しずれた印象になってしまいます。

同じ茶碗がちょうど三つ入った贈答用の箱を、三つとも見えるように差し出している観光客
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3つ、5つ、7つのセットにする。4と9は避ける

箸、カップ、お皿、タオル、花など、何かをセットで贈るときは、数を数えて4や9になっていないか確かめましょう。3、5、7のような奇数は、昔からお祝いごとに縁起がいいとされています。既製のギフトセットでも、数を数えておくと安心です。

「大したものじゃない」と謙遜しすぎる

贈り物を前に押し出しながら、何度も両手を振ってへりくだり続ける観光客と、居心地の悪そうな受け取り手
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贈り物を渡しながら「本当に小さなもので、何でもないんです」と何度も言う

日本の贈り物の習慣には、渡すときに品物を控えめに言う決まり文句があります。「つまらないものですが」です。ところが旅行者の中には、これを何度も繰り返したり、「本当に何でもないものなので」と付け加えたりして、謙遜しすぎてしまう人がいます。そうなると、控えめな謙遜というより、ほとんど言い訳のような謝罪に聞こえてしまいます。このフレーズは一度だけさらっと添えるもので、何度も自分を下げるためのものではありません。

落ち着いて両手で贈り物を差し出し、静かに一礼するだけでそれ以上何も言わない観光客
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渡すときに一度だけ、静かに言う。繰り返したり付け足したりしない

「つまらないものですが、どうぞ」で一言は完結しています。「ささやかなものですが、受け取ってください」という意味です。渡す動作に合わせて、一度だけ落ち着いて言いましょう。謝り続けたり、さらに品物を小さく言おうとしたりする必要はありません。このフレーズは謙虚さを示す決まった言い回しです。やりすぎると逆効果で、落ち着きがないように見えたり、かえって相手を見下しているように見えたりします。

なぜ贈り物にこれほど決まりごとがあるのか

日本では、贈り物がよくやりとりされます。人の家を訪ねるとき、旅行から帰ったとき、季節の節目、結婚式やお葬式、新しい仕事を始めるとき。日々の暮らしの中でこれだけ多くの贈り物が行き交うので、中身の品物と同じくらい渡し方が重みを持つ、細かいマナーができあがってきました。両手で渡すこと、包装、控えめなひとこと、すぐには開けないこと。どれも、品物よりも人と人との関係を中心に置くためのものです。レジ袋に入れたまま片手でひょいと渡され、その場で開けられた贈り物は、品物ばかりが前に出て、相手との関係が後ろに引っ込んでしまっています。日本の贈り物の文化が大切にしているものとは正反対です。

目安は:両手で渡す、包んだまま受け取る、ひとことは一度だけ、開けるのはあとで。

知っておくと役立つこと

  • お土産 — 旅行から帰ったら、職場の人や友人に、その土地のお菓子を箱で配るのが定番です。大きな駅には、まさにこのための箱入りのお土産を並べたお店がいくつもあります。お菓子が個包装になっていて、職場で配れるくらいの数が入っています。
  • 包装も贈り物の一部 — 日本の百貨店では、美しくギフト包装をしてくれます。無料のことも多いです。改まった贈り物は、ふつう包装してから渡します。海外から贈り物を持ってくるなら、日本のお店で包み直してもらうことを考えてみてください。
  • 結婚式やお葬式の現金 — 日本ではごく普通のことです。結婚式の現金は飾りのついた祝儀袋に、お葬式の現金は不祝儀袋に入れます。こうした封筒には水引の色や表書きに独自の決まりがあるので、改まった式に出席するなら、別に調べておきましょう。
  • お返し — 日本で贈り物をもらったら、何かお返しをするのが一般的です。目安はもらった品の半分から3分の1ほど(半返し)で、同じ額を返すと、贈り物を受け取らないという意味に取られることがあります。旅行者の一度きりのやりとりなら必須ではありませんが、付き合いが続く相手なら期待されることが多いです。

クイズで確認

贈り物のマナーを3問でおさらいしましょう。20秒ほどで終わります。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 日本では、贈り物を片手で渡してもいい?

  2. Q2 贈り主の目の前で、もらったプレゼントをすぐに開けてもいい?

  3. Q3 4つ組のギフトセットは避けたほうがいい?