日本人をハグしない — パーソナルスペースのルール

ハグは日本の挨拶ではありません。相手は笑顔でも、内心では戸惑っているかもしれません。挨拶はお辞儀が基本で、握手も相手から手を出すまで待ちましょう。

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ハグで挨拶する

初対面でハグをしようと両腕を大きく広げる観光客と、お辞儀をしかけたまま身を引く日本人
NG

初めて会う日本人に、両腕を広げてハグしようとする

欧米の多くの文化、特にアメリカやヨーロッパの多くの国、中南米では、ハグは親しみや心を開いていることを伝える温かい挨拶です。でも日本では、大人の挨拶はふつうお辞儀なので、挨拶の場面でハグされるとは思っていない人がほとんどです。海外で暮らしたことのある日本人でも、不意にハグされると気まずく感じることがあります。

手を体の脇に添え、丁寧なお辞儀で日本人に挨拶している観光客
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お辞儀か、軽く手を振る。体に触れるかどうかは相手に任せる

基本は日本式でいきましょう。丁寧なお辞儀(15〜30度)、くだけた場面なら軽く手を振る程度です。相手が握手の手を差し出してきたら、握手に応じましょう。国際的なビジネスの場では、握手はよく行われています。ただし、自分からハグをしたり、肩に触れたり、頬にキスしようと顔を寄せたりはしないこと。どこまで触れるかは相手に決めてもらい、それに合わせましょう。

話しながら相手の腕や肩に触れる

会話の中で強調しようと日本人の同僚の肩をつかむ観光客と、体をこわばらせる同僚
NG

話を強調しようとして、相手の腕や肩に手を伸ばす

腕に手を添える、肩をポンとたたく、背中を軽くたたく。会話中のこうした軽いスキンシップは、欧米の多くの文化ではよくあることで、親しみの表れと受け取られます。日本ではずっと少なく、不意に触れられると踏み込まれたように感じることがあります。安心させたい、励ましたい、同意したい、という温かい気持ちから触れたとしても、ぎこちなく、あるいは不快に受け取られることがあります。

手を自分の体の近くに保ったまま、温かい笑顔と表情豊かな顔つきで日本人の同僚に話を伝えている観光客
OK

気持ちは言葉と表情で伝え、手は自分の体の近くに

親しみや同意、話の強調は、体に触れずに、声のトーンや表情、身ぶりで伝えましょう。笑顔、うなずき、軽い笑い、心を込めた「そうですね!」は、どれも日本語の会話で温かさをしっかり伝えてくれます。手は体の横か膝の上に置くか、飲み物やスマホを持っておきましょう。相手の体には触れないことです。

話すときに近づきすぎる

話しながら日本人に近づきすぎている観光客と、間合いを取ろうと上体をそらす日本人
NG

相手から50センチ以内の距離で話す

日本人が会話で心地よく感じる距離は、欧米の多くの文化より広めのことが多いです。触れられるほど近くに立って話すと、圧迫感を与えてしまい、相手が後ろに下がらなければならなくなります。特に、仕事の場や初対面で一対一で話すときはそうです。近い距離で話すのは、たいてい親しい間柄か、満員電車やコンサートのように混雑していてどうしようもない場面に限られます。

腕一本分の心地よい距離を保って話している観光客と日本人
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話すときは1〜1.5メートルほど離れる

日本で心地よく話せる距離は、だいたい1〜1.5メートル、腕を伸ばした長さより少し離れるくらいです。周りがうるさくて聞き取りにくいときは近づいてもかまいませんが、普段は相手に配慮した距離を保ちましょう。周りの日本人がどのくらい間をあけているかを見て、それに合わせるのがいちばんです。

頬へのキスなど、体を使った挨拶をしようとする

向かいの日本人がすでにお辞儀をしかけているところへ、頬にキスをしようと身を寄せる観光客
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フランス式の頬へのキス、中南米式のアブラッソ、イタリア式の両頬への挨拶をしようとする

頬へのキスやヨーロッパ式のハグなど、顔や体が触れ合う挨拶は、日本の挨拶文化にはありません。初めて頬へのキスをされると、戸惑う日本人も多いです。お辞儀をするつもりでいる相手にいきなり頬へキスをすれば、本当に困らせてしまうことがあります。

挨拶で互いに同じようにお辞儀を交わし、どちらも相手に触れようとしない観光客と日本人
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お辞儀だけにする。自分の国の習慣と違っても、日本では日本のやり方に合わせる

日本で日本人に会うときは、日本式の挨拶をしましょう。いつもの挨拶に比べると、控えめで素っ気なく感じるかもしれません。それでも、その土地のやり方に合わせるのが相手への敬意です。気持ちを体で表す挨拶は、もともと親しい友人や、同じ文化圏から来た旅行仲間、はっきりとスキンシップを歓迎してくれる人のためにとっておきましょう。日本人が相手なら、基本はお辞儀です。

ハグの代わりにお辞儀が根付いた理由

お辞儀は何百年も前に、日本の標準的な挨拶として定着しました。触れずに敬意を示す挨拶です。日本が世界に開かれてからも、体に触れないという習慣は変わりませんでした。日本とアメリカを比べた研究でも、日本の人は日常生活で互いに触れ合うことがずっと少ないことがわかっています。

これは冷たいということではありません。日本人の温かさは、細やかな気づかいや、相手の話をきちんと聞くこと、ちょっとした心配り、そして相手のまわりにつくる雰囲気の中にあります。ただ、手で表すものではないのです。そこに力いっぱいのハグを持ち込んでも、温かさが増すわけではありません。もともとそこにある温かさを上書きして、気まずさに変えてしまいます。

もちろん、親しい間柄なら話は別です。カップルはハグをしますし、古い友人どうしなら背中をたたき合います。親は子どもをたっぷり抱きしめます。でも、知り合ったばかりの人には、触れないのが基本です。

お辞儀をして、触れない。どこまで触れるかは相手に決めてもらい、それに合わせる。

知っておくと役立つこと

  • 握手とお辞儀の組み合わせ — 海外と仕事をしている日本のビジネスパーソンは、握手に慣れていることが多いです。手を差し出されたら、強く握りすぎない程度にしっかり握り、軽いお辞儀を添えましょう。握手とお辞儀を組み合わせたこの挨拶は、海外とやりとりするビジネスの場でよく見られます。
  • お酒が入ってもルールは変わらない — 居酒屋はくだけた雰囲気に感じられるかもしれませんが、職場の飲み会はあくまで仕事の一部として扱われ、相手が望まない接触はハラスメントになることがあります。ここでも、どこまで触れるかは相手に任せましょう。
  • 親しい友人との再会 — 相手の様子を見ましょう。両腕を広げて近づいてきたら応じればいいし、お辞儀をしてきたらお辞儀を返せばいいのです。満面の笑みでのお辞儀は、温かいハグと同じくらい気持ちを伝えてくれます。
  • 満員電車は別 — ラッシュ時の満員電車では、パーソナルスペースはまったくなくなり、いやでも体が触れ合うのをみんな我慢しています。でも、ホームに降りたとたん、いつもの距離感に戻ります。

クイズで確認

ハグをしないルールが身についたか、3問で確かめてみましょう。20秒ほどで終わります。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 初めて会う日本人に、ハグで挨拶してもいい?

  2. Q2 話しながら腕に手を添えたり背中を軽くたたいたりするのは、日本では普通?

  3. Q3 日本人に挨拶するとき、自分の国の挨拶のやり方に合わせるべき?