店員さんの呼び方 — 『あの客』にならずにサービスを受ける方法

日本の飲食店では、店員さんが5分おきに様子を見に来ることは、ふつうありません。放っておかれているのではなく、そういうサービスの形なのです。こちらから呼ぶのが基本。「シーッ」も指パッチンも大声もなしで、上手に呼ぶ方法を紹介します。

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店員さんが来るのを黙って待つ

レストランのテーブルで空のグラスを前にいら立って周りを見回す観光客と、離れた場所で静かに控えている店員さん
NG

空のグラスを前に、店員さんが来るのを20分も待ち続ける

日本の飲食店のサービスは、欧米の多くのレストランとは正反対であることが多く、お客さんが合図をするまで、店員さんはたいていそっとしておきます。欧米の多くの店のように「お料理はいかがですか?」と様子を聞きに来ることは、ふつうありません。来てくれるのを待っていたら、長いあいだ待つことになるかもしれません。ここで「サービスが悪い」と腹を立てるのは、たいていしくみの誤解です。店員さんは多くの場合、あなたに呼ばれるのを待っているのです。

居酒屋の客がテーブルの端にある小さな呼び出しボタンに手を伸ばして押し、店員さんが気づいて顔を上げている
OK

はっきり「すみません」と1回言うか、呼び出しボタンを押す

居酒屋やチェーン店の多くには、テーブルに小さな呼び出しボタンや注文用のタブレットがあります。1回押せば、誰かが来てくれます。ボタンがなければ、「すみません」とはっきり通る声で言いましょう。静かなオフィスで人に質問するくらいの声の大きさが目安です。失礼でも大声でもありません。まさにそのための言葉です。店員さんが顔を上げたら目を合わせれば、来てくれます。🔔

指を鳴らす、手をたたく、「シーッ」と呼ぶ

店の向こうにいる店員に向かって指を鳴らす客と、それを見て眉をひそめる周りの客
NG

店員さんに「プシュッ」と合図したり、手をたたいたり、口笛を吹いたりする

指を鳴らす、手をたたく、「プシュッ」と息を鳴らす、口笛を吹く。こうした呼び方は日本ではとても失礼とされます。店員さんを、話しかける相手ではなく、呼びつける相手のように扱っていることになるからです。気軽な居酒屋でもこのルールは同じです。「ヘイ!」と声を張り上げたり、店中に聞こえる大声で英語で呼びかけたりするのも、同じように受け取られます。

片手を肩の高さに上げて「すみません」と声をかける客と、目を合わせてこちらに向かってくる店員さん
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声をかけて小さく手を上げる、それだけで十分

丁寧な呼び方の基本は、手を軽く上げること(ひじを曲げて頭くらいの高さに。大きく振り回さない)、そして「すみません」とひと言かけることです。店内がにぎやかなら、少し大きめの声でもかまいません。日本の居酒屋は騒がしいことも多く、店員さんはざわめきの中から「すみません」の声を拾うのに慣れていて、驚くほど遠くからでも気づいてくれます。はっきり1回呼べば十分です。3秒ごとに繰り返すのはやめましょう。

呼び出しボタンがあるのに使わない

目の前に押されていない呼び出しボタンがあるのに、居酒屋のテーブルから大声で「すみません」と呼ぶ客
NG

テーブルにボタンがあるのに、店中に響く声で「すみません」と呼ぶ

最近の日本の飲食店、たとえばチェーン居酒屋、焼肉チェーン、回転寿司などでは、テーブルに呼び出しボタンや注文用のタブレットがあり、店員さんに知らせが届きます。大声を出さなくて済むように作られた店で大声で呼ぶのは、必要がないうえに、ほかのお客さんにとって少し迷惑です。ボタンがあるなら、たいていはボタンを使うのがいちばんです。

居酒屋のテーブルのアップ。小さな赤い呼び出しボタンとタブレットがあり、手がそっとボタンを押している
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まずテーブルを確認する。ボタンか、タブレットか、どちらもないか

テーブルに小さなボタンがないか、注文用のタブレットが置かれていないかを確かめましょう。ボタンを押すか、タブレットの「店員呼び出し」をタップします。スシローやくら寿司のような回転寿司チェーンでは、ほとんどのことがタブレットで済むので、店員さんを呼ぶ場面自体がほとんどありません。

小さな用事のたびに何度も店員さんを呼ぶ

同じテーブルに何度も行き来して疲れた様子の店員さんと、次々に小さな用事を思い出す客
NG

細かい用事で10回も別々に呼ぶ

日本のサービスは手際がいい一方で、何度も呼ばれることを前提にはしていません。店員さんはたいていたくさんのテーブルを受け持っていて、ボタンや「すみません」は「今、本当に用がある」という合図です。水を頼むために呼び、90秒後に紙ナプキンでまた呼び、さらにメニューでもう一度呼ぶ。これは、特に忙しい居酒屋では少し迷惑なパターンです。1回で済む用件のために、何度も行ったり来たりさせることにもなります。

飲み物2つ、追加の料理、紙ナプキンを、1回のやり取りでまとめて店員さんに伝える客
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用件をまとめて、1回で全部頼む

店員さんを呼ぶ前に、頼みたいものを決めておきましょう。「ビールを2つと取り皿をひとつ、それとそろそろお会計をお願いします」というように、一度にまとめて伝えます。飲み物や料理の追加、調味料のお願いをまとめて頼むと、お互いに楽です。何か言い忘れたら、もう一度呼ぶのはかまいません。でも10分で3〜4回も細かく呼ぶと、気が利かないと受け取られることがあります。注文用タブレットのある店なら、この問題はほぼなくなります。自分のペースで好きなだけ入力できます。

「全然様子を見に来てくれない」のはなぜか

日本の接客は、お客さんをそっとしておくことが多いです。店員さんは基本的に、「お客さんは問題なく過ごしていて、邪魔されたくない」と考えています。だから、料理の味を聞きに来ることはふつうありません。いい面は、急かされたり、追加注文を勧められたりしにくいこと。不便な面は、何か欲しいときは自分から頼まなければならないことです。

店員さんは見回っているのではなく、呼ばれるのを待っている。そう理解できれば、このしくみは放ったらかしではなく、むしろ効率的に感じられるはずです。

覚えておきたいひとこと

  • すみません — 「ちょっといいですか」「こちらお願いします」として、どんな場面でも使える呼びかけ
  • お願いします — 頼みごとの最後に付けるひと言
  • お会計お願いします — 会計を頼むときの決まり文句
  • もう一杯ください — 飲み物のおかわりを頼むとき

「すみません」で店員さんを呼び、頼みたいことを1回にまとめて伝える。これがすべてです。

クイズで確認

特に大事なNGを押さえる3問です。20秒ほどで終わります。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 店員さんは、自分からテーブルの様子を見に来てくれるもの?

  2. Q2 指を鳴らしたり「プシュッ」と合図したりして店員さんを呼んでもいい?

  3. Q3 テーブルに呼び出しボタンがあっても、「すみません」と大声で呼ぶべき?