お悔やみの言葉、何を言う?(そして言ってはいけない)通夜・葬儀でのマナー

日本の同僚や知人が身近な人を亡くしたとき、思いやりのある正しい対応は、欧米のものとはかなり違います。日本のお悔やみは静かで短く、いくつかの決まった言葉と、慎重に避ける言葉で成り立っています。

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明るく大げさに、言葉を尽くして同情を伝える

静かに悲しむ同僚に、身ぶりを交えて長々と話しかける訪問者。同僚は居心地悪そうにしている
NG

「本当に残念。早く元気になってね!」と言ったり、亡くなった理由を聞いたりする

欧米のお悔やみは、温かく言葉数が多くなりがちです。長いハグ、「きっと今は安らかな場所にいるよ」「何かあったら言ってね」、ときには「何があったの?」という好奇心まで。日本では、その勢いは「やりすぎ」に映ります。「ご病気だったんですか?」のように死因を尋ねるのは立ち入りすぎなので、一切聞かないのがいちばんです。悲しんでいる人に「がんばって」と声をかけるのも場違いです。ただ静かに故人を悼めばいい人に、がんばることを求めてしまうからです。自分の気持ちを長々と語ると、話の中心が自分に移ってしまいます。

落ち着いた場で、身内を亡くした同僚に静かに丁寧なお辞儀をする訪問者
OK

短く、静かに、心を込めて。軽いお辞儀を添える

日本では、言葉が少ないことこそが敬意になります。静かなひと言とお辞儀で、気持ちは十分に伝わります。定番の言葉は「お悔やみ申し上げます」です。お通夜では、小さな声で「ご愁傷さまです」と言うのもよく耳にします。それ以上、何か付け加える必要はありません。死因を聞くことも、「早く元気になってね」も、「がんばって」もいりません。声を落とし、お辞儀をして、あとは黙っていればいいのです。力になりたいと伝えたいなら、「何かあればおっしゃってください」のひと言で十分です。🙏

「繰り返し」を思わせる言葉や、直接的な死の言葉を使う

考え込むように言葉を選びながら、悲しむ遺族に話しかける訪問者
NG

「重ね重ね」「再び」と言う、「死ぬ」「死亡」とそのまま言う

日本の弔事では、「忌み言葉」と呼ばれる言葉を避けます。「不幸がまた起こる」ことを連想させる、重ねたり繰り返したりする言葉のことで、「重ね重ね」「たびたび」「再び」「続く」などがそうです。また、「死ぬ」や「死亡」のように死を直接表す言葉も、この場ではきつく響きます。よかれと思って「本当に、重ね重ね残念です」と言ってしまうと、知らないうちに、まさに避けるべき言い回しを使ってしまうことになります。

穏やかな表情で、遺族に落ち着いた短いひと言をかける訪問者
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言葉は重ねずに簡潔に、死は穏やかな言葉で表す

文はシンプルにし、重ねる言葉や繰り返す言葉は避けましょう。「死んだ」ではなく、「ご逝去」や「亡くなる」といった穏やかな表現を使います。感情を込めた長い文は、うっかり忌み言葉が入り込みやすいもの。すっきりした一文のほうがずっと安心です。迷ったら、決まり文句の「お悔やみ申し上げます」だけ言えば、まったく問題ありません。避けたい言葉がひとつも入っていないので、これに頼るのが賢いやり方です。

香典の扱いを間違える

厳粛な場には明らかに場違いな、お祝い用の紅白の袋を持つ手
NG

手ぶらで行く、紅白の袋を使う、新札を入れる

お通夜や葬儀には、参列者はふつう香典を持っていきます。外国の方がやりがちな失敗は2つあります。何も持たずに行くこと、そして華やかな紅白の袋を選んでしまうことです。紅白の袋(祝儀袋)は結婚式などのお祝い用で、葬儀で使うのははっきりしたマナー違反です。もうひとつの落とし穴は、ぱりっとした新札です。新札を入れると、前もって用意していた、つまり亡くなることを予期していたように受け取られ、冷たい印象を与えてしまいます。

テーブルの上で、暗い色の折りたたんだ布に置かれた黒白の不祝儀袋
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黒白の袋に、使ったお札を入れる。職場でまとめて出す香典でもOK

香典は、黒白か銀の水引の不祝儀袋に入れます。同僚へなら3,000〜5,000円が一般的で、「死」を連想させる4や「苦」を連想させる9のつく金額は避けましょう。新札ではなく、使ったお札か、軽く折り目をつけたお札を入れます。袋は、赤などではない落ち着いた暗い色の袱紗(ふくさ)に包んで持っていきます。外国人の同僚としていちばん手軽で、まったく失礼にならない方法は、職場でまとめて出す香典に加わることです。自分の分を出せば、作法はまとめて整えてもらえます。

カジュアルな服装やふるまいで参列する

黒っぽい礼服の人たちの中で、明るいカジュアルな服装で浮いている人
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明るい色やカジュアルな服、派手なアクセサリー、携帯の着信音、写真撮影

お通夜や葬儀は、改まった厳粛な場です。明るい色やカジュアルな服で行く、派手なアクセサリーをつける、携帯を鳴らす、そして何より、写真を撮る。こうした行動はひどく失礼だと受け取られます。外国からの参列者の中には、見学して記録する文化行事のように考えてしまう人もいますが、そういう場ではありません。そこはご遺族と故人のための場所で、参列者は静かにその場になじむことが求められます。

黒っぽい礼服姿で、前の人の焼香の動作を静かに見ながらならう人
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黒っぽい礼服を着て、携帯は電源を切り、焼香は前の人にならう

黒か暗い色の改まった服装、つまり喪服か無地の黒っぽいスーツを着て、アクセサリーは最小限にします。女性なら一連のパールのネックレスは、昔から認められている例外です。携帯は電源を切り(少なくとも音もバイブも完全に鳴らない状態に)、写真は絶対に撮りません。ご遺族には静かにお辞儀をしましょう。焼香の手順を覚えておく必要はありません。すぐ前の人をよく見て、同じように動けば大丈夫です。敬意をもってならうことこそ、参列者に求められていることです。

日本のお悔やみは、なぜこんなに違うのか

悲しんでいる人をハグし、たくさん言葉をかけ、「話を聞くよ」と申し出る文化から来た人には、日本の弔いは驚くほど静かに感じられるかもしれません。日本では、多くを語らず、小さな声で、お辞儀をする。それがたいていいちばんやさしい対応です。心のこもった短いひと言は、温かい言葉を並べた長い話よりも重みがあります。目指すのは、自分が前に出ないことです。ご遺族が、自分たちの悲しみに加えて、あなたの気持ちにまで気をつかわなくて済むようにするのです。

この控えめさは、すべてに通じています。決まった言葉、慎重に避ける言葉、地味な服装、飾り気のない袋。どれも冷たさの表れではありません。感情を表に出すのではなく、品位と落ち着きを大切にする、もうひとつの思いやりの形なのです。

頼りになる決まり文句

本当に必要なのは、お悔やみ申し上げますのひと言だけです。お通夜では、静かに言われるご愁傷さまですも耳にするかもしれません。どちらも決まり文句なので、その場で言葉をひねり出す必要はありません。言葉をひねり出そうとするときにこそ失敗が起こります。

避けたいのは忌み言葉です。「重ね重ね」や「再び」のように重ねたり繰り返したりする言葉は、不幸が繰り返されることを連想させます。「死ぬ」のような直接的な言葉も同じです。迷ったら、文を短く簡潔にして、決まり文句に頼りましょう。死を表すきつい言葉の代わりには、ご逝去のような穏やかな表現を使います。

実際の場面で:お金と身なり

式の当日に大切なことは、具体的に2つあります。ひとつは香典です。黒白の不祝儀袋に使ったお札を入れ、同僚へならふつう3,000〜5,000円、4や9のつく金額は避けます。職場で香典をまとめているなら、それに加わるのがいちばん手軽で、しかも正しいやり方です。外国人の同僚がそうしても、誰も悪くは思いません。

もうひとつは、どんな姿で参列するかです。黒っぽい礼服を着て、アクセサリーは最小限に(パールだけは例外)、携帯は電源を切るか完全に音が鳴らない状態にして、写真は撮りません。焼香は、前の人を見て同じようにするだけです。静かに、周りをよく見て、ならう。参列者の務めはそれで十分です。

クイズで確認

いざというときに備えて、基本のマナーが身についたか、3問で確かめておきましょう。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 日本のお通夜で、気づかいを示すために死因を尋ねるべき?

  2. Q2 香典に、華やかな紅白の袋を使ってもいい?

  3. Q3 焼香では、前の人の動きをそのまま真似すればいい?