日本のジェスチャー — 使っていいもの・避けたいもの

欧米では普通でも、日本ではまったく違う意味になるジェスチャーがあります。逆に、覚えておくと便利な日本ならではの仕草も。手招き、「いいえ」のサイン、指さしについて解説します。

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「こっちに来て」の手招き

西洋人の観光客が東京のレストランでウェイターを呼ぼうと人差し指を曲げて手招きしており、ウェイターが少し不快そうにしている
NG

人差し指を曲げて手招きする

人差し指を上に向けてくいくいと曲げる、欧米でおなじみの「こっちに来て」のジェスチャー。日本ではこうやって人を呼ぶことはなく、失礼に見えたり、見下しているように見えたりすることがあると注意している案内も多くあります。店員さんや通りの向こうの友人にこれをすると、失礼だと思われるか、単に意味が伝わらないかもしれません。

観光客が京都の歩道で手のひらを下向きにして指先を地面に向けながら友人を招いており、友好的な笑顔
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手のひらを下に向け、手全体を下へ振る

日本の手招きは、手のひらを下に向けて指先を床のほうに向け、手全体で下にすくうようにやさしく振ります。空中で地面をなでるような動きです。遠くから見ると欧米の「バイバイ」に似ていますが、意味は「こっちに来て」です。友人を呼ぶときや、誰かを招き入れるときに使えます。指で呼ぶよりやわらかく見えるのが、まさにこの仕草のポイントです。

人差し指で指さす

観光客がラーメン店でメニューの写真を人差し指で直接指差しており、店員が少し居心地悪そうにしている
NG

人やメニューを、人差し指でまっすぐ指さす

日本では、人差し指で人をまっすぐ指さすのは失礼とされています。メニューの料理や棚の商品、看板など、物をぐいっと指さすのも、少しぶしつけに感じられることがあります。旅行者は料理を注文するときや、お店で何かを尋ねるときに、ついやってしまいがちです。店員さんは大目に見てくれますが、少しきつい印象は残ります。

観光客が東京のカフェでメニューの品をオープンハンドで示しており、ウェイトレスが笑顔でうなずいている
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手のひらを少し上に向け、手全体で示す

指をそろえて手を開き、手のひらを少し上に向けて、示したいものに向けます。やわらかく丁寧な印象になり、その物をそっと紹介しているような感じになります。メニューなら、写真の上に開いた手をかざして「これ」と言えば大丈夫です。店員さんはたいてい、すぐにわかってくれます。おまけに、上品にも見えます。

「いいえ」「できません」の、顔の前で手を振る仕草

混乱した観光客が質問を続けており、日本人の店員が顔の前で手を振って断りを示しているが、観光客には伝わっていない
NG

顔の前で手を振られたのを、あいさつだと勘違いする

旅行者がお店の人に助けを求めます。店員さんは片手を顔の前に上げ、手のひらを旅行者のほうに向けて左右に振ります。旅行者は、あいさつされた、話を聞いてもらえていると思って、にこにこしながら話し続けます。ところが店員さんは、実は「いいえ」「できません」「わかりません」と伝えていたのです。こうして、お互いに気まずいやりとりになってしまいます。

観光客がうなずいて理解を示しており、日本人の駅員が「できない」を示す顔の前での手振りをしている
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顔の前で手を振るのは、丁寧な断りのサインだと知っておく

顔の前で、鼻の前あたりに手を立てて左右に振る仕草は、「いいえ」「できません」「わかりません」「それは無理です」という意味です。日本で丁寧に断ったり、否定したりするときによく使われる仕草です。これを見たら、相手は本当に「いいえ」と言っています。笑顔で「ありがとう」とお礼を言って、ほかを当たりましょう。一度気づくと、地元の人がよく使っているのが目に入るようになります。

胸を指さして「私?」と示す

西洋人の観光客が日本のお店で人差し指で自分の胸を指して「私?」と聞いており、店主が少し戸惑っている
NG

自分の胸を指さして「私?」と聞く

欧米の多くの国では、自分の胸を指して「私?」と聞くのはごく自然な仕草です。日本でも、間違いというほどではなく、意味は通じます。でも、少し外国っぽく、どこか違和感のある仕草に見えます。日本人は自分を指すときに、鼻を指すことのほうが多いので、ちょっとした文化のずれとして映るのです。

観光客が日本の居酒屋で人差し指で鼻の先をさわりながら自分自身を示しており、笑顔でいる
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胸ではなく、鼻を指す

日本人は自分のことを指すとき、よく自分の鼻を指さします。欧米で胸を指すのにあたる、日本式の仕草です。鼻の頭に軽く触れるか指を向けて、「わたし?」と言うか、眉を上げてみてください。知っておくと、会話やテレビで見かけるようになります。何度かやってみると、意外なほど自然に身につきます。

あなたの手も話しています 🤚

言葉の通じない国を旅しているとき、手はあなたの意思とは関係なく、いつも何かを「話して」います。しかもジェスチャーは、世界共通のように見えて、実はまったくそうではない、やっかいなものです。親指を立てるサイン、手を振る仕草、指さし。どの文化にも暗黙のルールがあり、日本のルールには英語圏の旅行者が驚くものがいくつかあります。

うれしいことに、日本のジェスチャーは難しくありません。大事なものはほんのいくつかだけで、そのうち2つか3つを覚えるだけでも、旅はぐっと楽になります。店員さんが「いいえ」と言っているのがわかり、失礼に見えることなく店員さんを呼べて、少しだけ旅慣れて見えるようになります。

ここで紹介するのは、旅行者が特につまずきやすいジェスチャーです。欧米の習慣が日本ではうまく通じないものと、自分に向けられたときにちゃんと理解しておきたい日本のサインがあります。

まとめると:手招きは手のひらを下に向けて、人差し指で指さない、顔の前で手を振られたら「いいえ」。

知っておくと役立つこと

  • OKサイン(👌) — 親指と人差し指で作る丸は、日本でも通じますが、場面によっては「お金」を意味することがあります。特に、丸を下に向けたときがそうです。「大丈夫」の意味で何にでも使えるとは思わないでおきましょう。
  • バツ(×) — 両腕を胸の前で交差させて「×」を作るのは、「いいえ」「違う」「だめ」という意味です。店員さんが、品切れや立ち入りできないことを伝えるのに使うこともあります。知っていれば、とてもわかりやすいサインです。
  • 合掌(両手を合わせる) — 胸の前で両手のひらを合わせる仕草は、食事の前の「いただきます」でよく見られ、お礼を言うときに使う人もいます。仏教とともに日本に伝わったものですが、食卓では日常の習慣なので、気軽にまねしてみてください。
  • 小指を立てる — 小指だけを立てるのは、「彼女」や「その人と親しい女性」を指す俗っぽい仕草で、上品さを表すものではありません。上品に見せようとして、ティーカップを持つときに小指を立てないようにしましょう。
  • 名刺交換 — 名刺の交換には、両手で渡し、お辞儀をして、という独特の一連の作法があります。仕事で日本に来るなら、別に調べておく価値があります。

クイズで確認

ジェスチャーが身についたか、はい・いいえで答える3問で確かめてみましょう。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 日本では、欧米式に人差し指を曲げて「こっちに来て」と手招きすると、失礼に見えることがある?

  2. Q2 日本人が顔の前で手を振る(手のひらがこちらを向いている)のは、「いいえ」「できません」という意味?

  3. Q3 日本では、自分を指すときに胸ではなく鼻を指すことが多い?