靴を脱ぐのは「好み」の問題ではない
多くの国では、「家の中では靴を脱ぐ」は家庭ごとのルールで、そうする家もあればしない家もあります。日本では、これは建物のつくりそのものに組み込まれた、清潔さの境界線です。日本の家の床は、ただ歩くためのものではありません。座り、布団を敷き、食事をし、赤ちゃんがハイハイする床でもあります。そこに外履きの靴で上がるのは、「ちょっと汚い」程度の話ではなく、そもそも考え方が違うのです。
そのためにあるのが玄関です。玄関は道路と生活空間のあいだにある小さな緩衝地帯で、段差によって二つの空間がはっきり分けられています。低いほうに「外」を置いてきて、靴下で「内」に上がる。この段差を探す習慣がつけば、日本の多くの建物はすぐに見分けられます。靴のままでいい場所か、脱ぐ場所か。玄関があって靴が並んでいれば、答えはもう出ています。
実際の場所で見分けるには
- 一般の家やアパート — ほぼ必ず脱ぎます。入った瞬間に玄関が目に入ります。
- 旅館や民宿 — たいてい脱ぎます。入口で靴を脱ぎ、滞在中はスリッパか靴下で過ごします。
- お座敷のある和食店 — 座敷の入口近くに靴箱や下駄箱があるか見てみましょう。段差を上がる前に靴を脱ぎます。
- お寺や一部の神社のお堂の中 — 段差があり、「靴をお脱ぎください」の表示(または脱いだ靴の山)があれば、靴を脱ぎます。
- 一部のクリニック、学校、古い公共施設 — 入口近くにスリッパ立てがないか気をつけて見てみましょう。
- 一般的なレストラン、カフェ、コンビニ、お店、駅 — 靴は履いたままです。脱ぐのは玄関や靴箱があるときだけ。なんとなく脱ぐことはありません。
迷ったら、ルールはとても簡単です。段差があって靴が並んでいたら、靴を脱ぐ。 それだけです。
知っておくと役立つこと
- 靴はドアに向けてそろえる — 靴を脱いだら、つま先がドアのほうを向くように向きを変えておきましょう。前を向いたまま上がってから、しゃがんで靴の向きを変え、玄関の真ん中ではなく端に寄せて置きます。
- スリッパの順番 — 室内用スリッパ → トイレ用スリッパ → 畳(スリッパなし)。滞在中、何度もこの順番を行き来することになります。いちばん忘れやすいのは、トイレでの履き替えです。
- 冬のロングブーツ — これはなかなか大変です。座らなくても脱げる靴を選ばないと、玄関に来るたびにグループ全員を待たせることになります。ファスナー付きのショートブーツは、旅行者の強い味方です。
- 温泉や銭湯 — 仕組みが少し違います。たいてい入口で靴を下駄箱やロッカーに入れ、その先でもう一度履き物を脱ぐ場所があります。周りの人に合わせれば大丈夫です。
クイズで確認
玄関での感覚を身につけるための3問です。20秒ほどで終わります。