日本では、なぜお金を贈るのか
日本では、結婚式やお葬式にはお金を贈るのが一般的です。欧米の多くの国では、結婚祝いといえば調理器具やグラス、ウェディングリストの品物など、形のある贈り物が普通です。一方日本には、特別な飾り封筒にお金を包んで贈る長い伝統があります。新郎新婦はそのお金を新しい生活に役立てますし、実際のところ、かなりの費用がかかる日本の結婚式そのものの足しにもなります。お葬式も同じで、香典と呼ばれるお金は、やはり大きな出費となる葬儀の費用をご遺族が賄う助けになります。
ただお金を手渡すのと違うのは、封筒とその渡し方に、多くの意味が込められていることです。のし袋はただの包み紙ではなく、それ自体が贈り物です。紙の質、水引の結び方、色の組み合わせ、表に書く名前の書き方、中に入れるお札の新しさ。そのすべてが、その場にどれだけ心を配ったかのしるしとして受け取られます。雑に用意した封筒に多額のお金を入れるより、きちんと整えた封筒に控えめな金額を入れるほうが、好印象になることもあります。
旅行者にとってありがたいのは、決まりごとがよく整っていることです。コンビニや文具店では、名前や金額の記入欄が印刷された封筒を売っています。文具店やデパートのギフト売り場では、店員さんが選ぶのを手伝ってくれることもあります。何十年も書道を習う必要はありません。どの封筒を買えばいいか、いくらなら無難か、お札は新しいものにする。この三つを知っていれば大丈夫です。
ひとことで言えば:きちんとした飾り封筒、新札、奇数の金額、表に丁寧に名前を書く。
知っておくと役立つこと
- デパートのギフトカウンター — デパートのギフト売り場では、店員さんが正しいのし袋を選ぶのを手伝ってくれます。書くところまで手伝ってもらえるかも聞いてみましょう。日本の改まった行事に出るなら、これがいちばん手軽な方法です。
- 祝儀袋 — お祝いのお金を包む封筒の、もうひとつのよくある呼び方です。お店では「のし袋」と「祝儀袋」のどちらも、同じものを指して使われています。
- 水引の結び方には意味がある — 飾りのひも(水引)の結び方には、大きく二種類あります。結び切り(一度結んだらほどけない結び方)は、結婚式やお葬式など、一度きりであってほしい出来事に使います。蝶結び(ほどいて結び直せる結び方)は、一般的なお祝いや出産など、何度あってもうれしい出来事に使います。場面に合わない結び方を選ぶと、ひと目でわかる間違いになります。
- コンビニの記入欄付き封筒でも大丈夫 — コンビニには、名前や金額を書く欄が印刷されたのし袋もあります。これでまったく問題なく、筆でいちから書くよりずっと簡単です。
- 受付 — 受付でご祝儀袋を渡し、芳名帳に記帳します。集まったご祝儀は、最後に受付係から新郎新婦の家族に渡されます。誰がいくら包んだかは、あとで表に書いた名前をもとに記録されるので、読みやすく書いておきましょう。
クイズで確認
お金の贈り方のルールが身についたか、3問で確かめてみましょう。20秒ほどで終わります。