日本の美術館・博物館マナー:うるさいフラッシュ撮影の人にならない方法

日本の美術館や博物館は館内が静かで、部屋ごとに撮影ルールが掲示されており、来館者はそれを読むものとされています。東京国立博物館からチームラボ、ジブリ美術館まで、「困った来館者」の見本にならずに作品を楽しむ方法をまとめました。

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どこでも撮影OKだと思い込み、フラッシュを使う

額装された絵画にフラッシュを焚く旅行者と、それを手で制止する監視員
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どの展示室に入っても、すぐにスマホを出してフラッシュ撮影する

日本の美術館の撮影ルールは、部屋ごとに、ときには作品ごとに変わります。「さっきの部屋では撮れた」からといって、この部屋で撮れるとは限りません。特別展は、作品がほかから借りてきたものだったり、美術館が管理していない著作権があったりするため、撮影が全面禁止になっていることがとても多いです。フラッシュは、光に弱い作品を守るためでもあり、ほかの来館者の迷惑になるためでもあって、ほとんどの美術館で禁止です。三脚や自撮り棒も同じです。三鷹のジブリ美術館は、館内の撮影がすべて禁止。カメラはしまって、目で楽しむだけです。「どこでも撮り放題」と思い込んでいると、スタッフにそっと注意されることになりがちです。

展示室の入口で撮影禁止の掲示を読んでからスマホをしまう来館者
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部屋ごとに掲示を読み、フラッシュ・三脚・自撮り棒の禁止を守る

部屋ごとにルールが違うものと考えて、撮る前に掲示を探しましょう。「撮影禁止」は撮影NG。カメラに斜線が入ったマークも同じ意味です。「撮影OK」や斜線のないカメラのマークなら撮影できますが、すぐ横に「フラッシュ禁止」とないか確かめましょう。フラッシュなしならOK、というのはよくある条件だからです。常設展では、フラッシュなしのスマホ撮影を認めているところが多いですが、特別展はたいてい禁止です。フラッシュ、三脚、一脚、自撮り棒は、写真を撮ってよい場所でも、ほとんどの美術館で禁止されています。迷ったら、掲示やスタッフが許可するまでカメラはしまっておきましょう。📸

顔を近づけ、作品を指さし、触れてしまう

絵画に指が触れそうなほど寄りつつ、リュックが彫刻のほうに揺れている来館者
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キャンバスにぐっと顔を寄せ、絵の具すれすれまで指を近づけ、リュックを揺らしている

よく見ようと顔を近づけたり、筆づかいを指さしたくなったりする気持ちはわかります。でも日本の美術館では、それは不用心に見え、監視員をすぐに不安にさせます。額や彫刻、展示ケースに触れるのは絶対にいけません。手の脂やぶつかった衝撃は作品を本当に傷めますし、何百年も前の作品も多いのです。見落としがちなのは、持っていることを忘れている物です。振り向いたときに揺れるリュック、傘の先、ストラップでぶら下がったカメラ。写真を撮ろうと後ずさりして、作品にぶつかってしまうこともあります。ケースに指紋がつき、彫刻にぶつかり、あなたが原因でロープが張られることになりかねません。

床のラインの後ろに立ち、開いた手で絵画を示す来館者と、それを見る連れ
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適度な距離を保ち、絶対に触れず、示すときは手のひらで

床に線が引かれていたり低い柵があったりして、どこまで近づいてよいかが示されていることがほとんどです。その手前で見ましょう。作品や額、台座、ケースには、軽くでも決して触れないこと。持ち物にも気をつけましょう。リュックは前に抱えるか預け、傘は傘立てに入れ、大きな作品を見ようと後ろに下がる前には後ろを確かめます。連れの人に細かい部分を見せたいときは、指を作品に突き出すのではなく、少し離れたところから手のひらを上に向けて示しましょう。そのほうがわかりやすく、監視員をひやりとさせることもありません。🎨

大声で話す、電話に出る、館内で音を出す

静かな展示室で大声で通話する来館者と、それをちらっと見るほかの客
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大声でおしゃべりし、子どもは走り回り、スマホが鳴る

日本の美術館は、多くの人が思う以上に静かな場所であることが多いです。普通の声で話しても、しんとした部屋ではすぐに響き渡ります。展示室の中で電話やビデオ通話に出る、スマホで動画や音楽を音を出して流す、子どもが部屋から部屋へ走ったり叫んだりする。どれも「ちょっと失礼」では済まず、はっきり迷惑になります。みんながささやくような声で話している部屋では、普通の声の電話ひとつがいちばん記憶に残ります。そしてそれはたいてい、部屋が実際どれほど静かかに気づいていなかった来館者です。

片耳の音声ガイドを使い、静かに作品を鑑賞する来館者
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小さな声で話し、スマホは音を消し、電話は外で

声は小さく抑え、入る前にスマホをマナーモードにしておきましょう。電話に出る必要があるときは、まず展示室を出てロビーや通路に移ります。解説を聞きたいなら、音声ガイドを使いましょう。音声ガイドを用意している展覧会は多く、貸し出しのほかアプリのこともあります。イヤホンで聞くので、音が周りに漏れません。子どもはそばにいさせて、落ち着かせましょう。家族連れを歓迎している美術館は多く、求められているのは、静かな声で話すことと走らないことだけです。基本は、来たときと同じ静けさのまま部屋を後にすることです。🤫

大きなリュックを背負ったまま、飲食物や濡れた傘を持ち込む

大きなリュックとしずくの垂れる傘を持ち、混雑した展示で作品の脇をすり抜ける来館者
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リュックを背負い、軽食を手に、しずくの垂れる傘を持って混雑した展示をかき分ける

背中の大きなリュックは、自分からはほとんど見えませんが、後ろの人からはよく見えます。人にぶつかり、展示ケースをかすめるので、多くの美術館が大きな荷物を預けるよう求める理由のひとつになっています。展示室での飲食は、日本のほとんどの美術館で禁止されています(食べかすやこぼれた飲み物、においは、作品の保存にとって問題になるからです)。しずくの垂れる傘を持ち込めば、床や作品のほうへ水の跡が続きます。人でぎっしりの特別展にベビーカーで入ると、本当に流れが詰まってしまうことがあり、混雑する展覧会ではまさにその理由でベビーカーを制限していることもあります。

リュックを前に抱え、入口の傘立てに濡れた傘を入れる来館者
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大きな荷物はロッカーへ、リュックは前に、傘は傘立てに

多くの美術館には、入口の近くにコインロッカー(100円が戻ってくるタイプが多いです)やクロークがあるので、かさばる荷物はそこに預けましょう。リュックを持って入るなら、前に抱えるか手に持って、自分の目の届くところに置きます。展示室での飲食はNGです。カフェや決められた場所で楽しみましょう。濡れた傘は、入口の傘立てに入れるか、ビニールの傘袋をかぶせます。ベビーカーを貸し出している美術館も多く、ベビーカーでも回りやすい美術館も多いですが、混雑する特別展では入口に置いていくよう求められていないか確かめておきましょう。🎒

日本の美術館は、思っているより静か

東京国立博物館や東京国立近代美術館のような大きな美術館に初めて来た人の多くが驚くのは、その静けさであることがよくあります。人々はささやくような声で部屋から部屋へ移り、スマホは音を消してあり、いちばん大きな音は床を歩く足音くらいです。旅行中のいつもの声で、スマホの音も消さずに入っていくと、場の空気が変わるのがわかるはずです。日本だけの話ではありませんが、ふだんの静けさが高めのことが多いので、入った瞬間に自分の声をひと段階落としておくといいでしょう。

部屋ごとに変わるルール:撮影

全国共通の撮影ルールというものはなく、そこが落とし穴です。同じ美術館でも、常設展では自由に撮影できるのに、二部屋先の特別展ではカメラが完全に禁止、ということがあります。たいていは、そこにある作品がよそから借りてきたものだったり、美術館が持っていない著作権があったりするためです。だから、どの部屋でも掲示を読みましょう。

  • 撮影禁止、または斜線の入ったカメラのマーク:撮影NG。
  • 撮影OK、または斜線のないカメラのマーク:撮影できます。ただし、すぐ横に「フラッシュ禁止」とないか確かめましょう。

フラッシュ、三脚、一脚、自撮り棒は、撮影OKの場所でも、ほとんどの美術館で禁止です。わかりやすい場所もあります。ジブリ美術館は館内の撮影がすべて禁止なので、目で楽しむだけです。反対にチームラボの会場は、ほとんど写真を撮るために作られているような場所です。ただし、自撮り棒と三脚は禁止で、暗いので足元に気をつけましょう。

荷物と体、そしてうっかり触れてしまう作品

展示室での事故のほとんどは、派手なものではありません。リュックが展示ケースをかすめる、傘の先が額に引っかかる、写真を撮ろうと後ずさりして彫刻にぶつかる、といったものです。かさばる荷物はコインロッカー(100円が戻ってくるタイプが多いです)かクロークに預け、リュックは前に抱え、濡れた傘は入口の傘立てに入れましょう。床の線や柵より前に出ず、何にも触れず、作品を示すときは絵の具すれすれまで指を近づけるのではなく、手のひらで示します。飲食物は展示室に一切持ち込まないようにしましょう。

クイズで確認

多くの来館者がつまずく撮影、フラッシュ、音のルールを、3問で確かめてみましょう。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 常設展で撮影OKだったなら、特別展でも撮影OKだと思っていい?

  2. Q2 撮影OKの部屋でも、フラッシュ撮影はふつう禁止?

  3. Q3 小声なら、展示室の中でちょっと電話に出てもいい?