お盆 — 日本のご先祖まつりへの参加ガイド

8月中旬のお盆は、ご先祖様が家に帰ってくるとされる時期です。盆踊りや灯籠流し、家族の集まり。誰でも参加できる行事なら観光客も歓迎されます。その楽しみ方を紹介します。

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お盆の意味を知らず、ただの夏祭りだと思う

明るい夏服の観光客が伝統的な日本の家の入口に飾られた小さな家族の盆棚の前で大きな声で笑いながら自撮りをしており、後ろには灯篭と供え物のある祭壇が見える、夕暮れの温かい光
NG

お盆の宗教的な意味を知らずに、ほかの夏祭りと同じように扱う

お盆はただの楽しい夏祭りではありません。亡くなった人の霊が数日間家に帰ってくると考えられている仏教の行事です。お盆には、誰でも参加できるにぎやかな行事もあれば、家族だけで静かに行う儀式もあります。この違いを知らないまま出かけると、家族の大切な時間に踏み込んでしまったり、目の前の光景の意味を取り違えたりしかねません。少し背景を知っておくだけで、見え方がまったく変わります。

シンプルな浴衣を着た笑顔の観光客が、寺院の広場に張られた赤い提灯の下で盆踊りの輪の外側で地元の人たちと踊っており、あらゆる世代の笑顔に囲まれた温かい夏の夜の雰囲気
OK

お盆のどの部分が公開の行事かを知り、そこを思いきり楽しむ

一般向けの盆踊り(広場やお寺の境内で行われる地域の踊り)は、たいてい観光客も含めて誰でも参加できます。輪に入り、振りをまねして、雰囲気を楽しみましょう。お寺の行事や灯籠流し、一般向けのお祭りも歓迎してくれます。一方、家で行う儀式(迎え火、精霊棚、お墓参り)は家族のものです。自分がどちらの場にいるかを意識していれば、お盆は日本でいちばん幻想的な季節のひとつになります。

家族のお盆の儀式に立ち入る・撮影する

大きなカメラを持った観光客がお盆の夜に自宅の前で小さな迎え火を焚いているお年寄りの日本人女性に接近して撮影しており、女性が居心地悪そうにしている
NG

迎え火を焚いたり、お墓の手入れをしたりしている家族を見物・撮影する

お盆には、各家庭が家の前で小さな迎え火を焚き、お供え物を並べた精霊棚を用意し、お墓を掃除してお線香をあげます。家族が亡くなった大切な人を迎える、とても私的な時間です。そばに立って眺めたり、ましてや儀式や祭壇をアップで撮影したりすれば、家族の祈りの場を観光の見世物にしてしまいます。お盆の時期に家族を不快にさせる、もっとも分かりやすい行動のひとつです。

燈籠流しで夜の暗い川に何百もの光る紙の燈籠が流れており、観光客と地元の人が岸から静かに見守っている、水面に燈籠の光が揺れて映っている、深い情緒
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公開の行事を楽しみ、家族の儀式はそっとしておく

お盆の美しい公開行事は、ぜひ体験してください。お寺の境内での盆踊り、紙の灯籠を川に流す灯籠流し(最終日の夜に行われることが多い)、各地の大きなお祭り、お寺の法要などです。どれもすばらしく、忘れられない思い出になるはずです。家の前で祭壇を整えたり迎え火を焚いたりしている家族を見かけたら、邪魔をせずにそのまま通り過ぎましょう。もし向こうから「見ていきませんか」と誘ってもらえたら、感謝して、静かに敬意を払いながら見せてもらいましょう。

盆踊りへの加わり方が分からない

観光客がお寺の盆踊りの輪の端に一人で固まって参加するのをためらっており、浴衣姿の地元の人々が中央の楼閣(やぐら)の周りに提灯を灯して一斉に踊っている、夜の雰囲気
NG

輪の外で固まってしまう、または自己流の踊りで飛び込む

盆踊りの輪の端で、難しそうだ、参加するには許可がいるのでは、と身構えて立ち尽くす観光客をよく見かけます。反対に、いきなり輪の真ん中に入り、自分のリズムで好きに踊ったり、日本の踊りっぽい動きを適当にまねしたりする人もいます。周りはみんな決まった振りを繰り返しているのにです。どちらも、日本でいちばん温かい体験のひとつを逃してしまっています。

浴衣姿の観光客がお盆踊りの輪に加わり、隣で笑顔の地元の女性に合わせて手の動きを真似しており、上に赤い提灯が連なり、寺院の広場の夏の夜、楽しそうな雰囲気
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ひと通り見てから輪の外側に入り、前の人について踊る

盆踊りは、もともと初めての人でも入りやすいようにできています。短い一連の振りが、曲のあいだずっと繰り返されるからです。まずは横からひと回り分見て動きを覚え、輪の外側にそっと入って前の人についていきましょう。振りが完璧でなくてもかまいません。地元の人は、観光客が踊ってくれると喜んでくれることが多いです。誰でも参加できる行事なら誘われるのを待つ必要はなく、輪そのものが招待状です。数分もすれば覚えられます。

お盆が交通やお店に影響することを知らない

大きなスーツケースを持った観光客がお盆のピーク期の混雑した東京駅でストレスを感じており、荷物を持った日本人家族の大勢の人波と売り切れサインが見える
NG

8月中旬に何も予約せずに来て、いつも通り空いていると思う

お盆は、日本で一年のうち最も大きな民族大移動が起きる時期のひとつです。多くの人が帰省するので、数日間は交通機関がひどく混み合います。お盆のピークに東京駅で当日の京都行き新幹線のきっぷを買おうとしても、乗りたい列車が満席ということがよくあります。人気の観光地のホテルも何週間も前に埋まることがあり、料金も上がりがちです。予約なしで8月中旬に移動するのは、ストレスを抱えにいくようなものです。

穏やかな観光客がお盆の週に普段より明らかに人が少ない渋谷のスクランブル交差点を歩いており、温かい夏の午後の光、空いた歩道がいつもと違う静けさを感じさせる
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何週間も前に予約するか、人が減った都市を楽しむ

8月中旬に日本を旅行するなら、新幹線、ホテル、飛行機は何週間も前に予約しましょう。特に8月13〜16日前後は要注意です。新幹線は自由席ではなく指定席をとりましょう。逆に、東京のような大都市の一部は、多くの住民が帰省するのでお盆の時期は目に見えて静かになります。通勤電車は空いていて、オフィス街も落ち着いています。地方へ移動する予定がなければ、そんな静かな東京は思いのほか穏やかで、街歩きにうってつけです。

お盆とは

お盆は夏のさなかに行われる日本の仏教行事で、亡くなったご先祖様の霊が、数日間だけ家族のもとに帰ってくるとされています。期間はふつう3〜4日で、地域によって7月中旬か8月中旬に行われます。東京など一部の地域では7月13〜16日に行う家庭が多いですが、日本の大部分では8月13〜16日ごろです。「お盆の時期」と言えば、たいていは8月のほうを指します。

この数日間、各家庭では初日の夕方に家の入口で小さな迎え火を焚き、霊が迷わず帰ってこられるようにします。「精霊棚(しょうりょうだな)」と呼ばれる小さな祭壇には、果物やお菓子、お線香、お花を供えます。お墓参りをして墓石を掃除し、新しいお花を供えてお線香をあげます。そして多くは最終日の夜に、送り火や灯籠流しで霊をあの世へ送り出します。京都では、街を囲む山々に灯される有名な「大文字の送り火」がその見送りの火です。

家庭での儀式とは別に、お盆は盆踊りの季節でもあります。お寺の境内や地域の広場で行われる踊りで、中央に組んだやぐらのまわりを輪になって踊り、太鼓がリズムを刻みます。何百年も前から続いていて、振りは地域ごとに違い、一般向けの盆踊りなら、地元の人も子どももお年寄りも観光客も、たいてい誰でも加われます。赤い提灯が連なり、焼きそばやかき氷の屋台が並び、浴衣姿の子どもたちが走り回り、暖かい夜の空気に太鼓の音が響く。日本で味わえる、最も情緒あふれる光景のひとつです。

旅行者が知っておきたいのは、家族のものと公開のものの区別です。迎え火や精霊棚、お墓参りは家族の祈りの場で、観光客が見物するものではありません。盆踊りやお寺の行事、灯籠流しは誰でも参加できるお祭りなので、ぜひ足を運んでください。この線引きを守ることが、お盆の時期に気持ちよく迎えてもらうためのコツです。

まとめると、盆踊りと灯籠流しには参加し、家族の儀式はそっとしておき、移動の予約は何週間も前に済ませる、です。

知っておくと便利なこと

  • 時期は地域によって違う — 東京では7月13〜16日にお盆を行う家庭が多く、京都や大阪を含む日本の大部分は8月13〜16日ごろです。沖縄は旧暦に従うので、お盆の日付が毎年変わります。どちらかの時期に地域をまたいで旅行するなら、その土地の日程を確かめておくと安心です。
  • 灯籠流し — お盆の最終日に行われることが多い灯籠流しは、日本で見られる最も美しい光景のひとつです。ろうそくをともした何百、何千もの小さな灯籠が、霊を送るために川へ流されます。暗い川面に揺れる光は忘れられません。8月6日の広島の灯籠流し(お盆の追悼の意味とも重なります)は、特に胸に迫るものがあります。
  • 阿波おどりなど各地の有名な踊り — 夏の盆踊りシーズンには各地で大きなお祭りがあり、徳島の阿波おどり(8月中旬に数日間)は日本有数の規模と知名度を誇ります。主催者によると100万人以上が訪れ、踊り手の連が通りを埋め尽くします。岐阜の郡上おどりは夏のあいだ数十晩にわたって開かれ、観光客も踊りの輪に迎え入れてくれます。
  • 国民の祝日ではない — お盆は暦の上では国民の祝日ではありません。ただ、多くの会社がその前後に数日の休みを設けるので、実質的には夏の主な休暇の時期になります。これほど多くの人が一斉に休む数少ない時期なので、交通がひどく混むのです。
  • 精霊馬(しょうりょううま) — お盆のかわいらしい風習のひとつが精霊馬です。きゅうりとなすに割り箸を刺して足にした、小さな「馬」と「牛」です。きゅうりの馬は霊が早く帰ってこられるように、なすの牛はお供え物を載せてゆっくり戻れるように、という意味があります。家庭の祭壇で見かけたら、眺めるだけにして触らないでください。

クイズで確認

お盆の基本が身についたか、3問で確かめてみましょう。20秒ほどで終わります。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 お祭りの盆踊りに、観光客が加わってもいい?

  2. Q2 家庭のお盆の儀式(迎え火や精霊棚)を、招かれていないのに見物したり撮影したりしてもいい?

  3. Q3 お盆の時期は交通がかなり混むので、早めの予約が必要?