歩行者信号 — 誰もいない赤信号でも地元の人が待つ理由

人も車もいない交差点で、歩行者信号は赤。それでも多くの日本の人は待ちます。赤信号で渡るのは、ささいなことでも周りからはっきり見える「ルール違反」だからです。

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車が来ないからと赤信号で渡る

夜、誰もいない東京の住宅街の道路を、歩行者信号が赤なのに早足で渡る観光客と、歩道で辛抱強く待ちながらそれを見ている数人の地元の人
NG

夜11時、誰もいない道を赤信号で渡る

深夜0時、東京の住宅街の小さな交差点。車も自転車も来ません。どの方向も2ブロック先まで見通せます。歩行者信号は赤。さて、渡りますか? 欧米の多くの都市では普通のことですが、日本では小さいながらもはっきりした**ルール違反**と受け取られがちです。周りの地元の人も気づくかもしれません。同じ交差点に子どもやお年寄りがいれば、ルールを破る手本を見せたことになり、無言の非難を向けられることもあります。

車の見えない住宅街の交差点で、数人の日本人と観光客が一緒に歩行者信号が青になるのを待っている
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道に誰もいなくても、青になるまで待つ

多くの日本の歩行者が待つのは、主に罰金が怖いからではありません(法律に罰則はありますが、歩行者が実際に違反切符を切られることはめったにありません)。待つのが当たり前だからです。行列や静かな電車、ゴミの分別と同じ考え方で、**誰も見ていなくてもルールは守るもの。大事なのは取り締まりではなく、ルールそのもの**です。歩道に立って待ち、青になったら渡りましょう。意外とすぐに自然に感じるようになります。

カウントダウンがゼロになる瞬間に駆け込む

東京の横断歩道で、歩行者信号が青点滅を始めた瞬間に歩道から踏み出す観光客と、歩道に残っているお年寄りと小学生
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信号が変わる直前に歩道から踏み出す

日本の歩行者信号は、赤になる前に青が点滅します。青の残り時間を表示するものもあります。点滅中や最後の2秒に歩道から踏み出し、赤に変わりきる前に滑り込もうとするのは、見た目どおり慌ただしく危なっかしい行動です。横断歩道で待っている子どもにとっても、よくないお手本になります。

東京の横断歩道で、歩行者信号が青点滅している間、渡ろうとせず落ち着いて待つ歩行者と、目に見えて減っていくカウントダウン
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点滅していたら動かず、次の青を待つ

日本の歩行者信号の青点滅は**渡り始めてはいけない**という合図です。すでに渡っている途中なら、すみやかに渡りきるか、引き返します。次の青はたいていすぐに来ます。その場で落ち着いて待ち、しっかり青になってから渡りましょう。こうして待つことが、ここでの横断歩道の渡り方の大きな部分です。

30秒を惜しんで道路を横切る

買い物袋を手に、広い東京の道路を途中から斜めに横切る観光客と、30m先の横断歩道を使っている両側の地元の歩行者
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近道だからと、横断歩道のない場所で道を渡る

横断歩道以外の場所で渡ること自体が、日本で一律に違法なわけではありません。ただ、観光客がやりがちな3つの渡り方、つまり、すぐ近くに横断歩道があるのに道の途中で渡る、交差点を斜めに横切る、止まっている車のすぐ前や後ろから出る、はどれも道路交通法で禁止されています。そのうえ、周りからはかなり目立ち、地元の人の多くはやりません。警察官(お巡りさん)に呼び止められることもあります。歩行者が違反切符を切られることはめったになく、注意で済むことのほうが多いですが、いずれにしても目立ってしまいます。

買い物袋を手に、道路を横切らずに少し遠回りして、しま模様の横断歩道を使う旅行者
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横断歩道まで歩いて、横断歩道を渡る

横断歩道が30m先にあって、横切ったほうが早く思えても、その分は歩きましょう。日本の交差点はたいてい信号がきちんと整っていて、待ち時間はふつう短めです。日本の子どもは小さいころから交通安全教室で横断歩道のルールを教わります。大人が横断歩道を使わないのは、かなり浮いて見えます。

スマホを見ながら渡る

完全にうつむいてスマホに目を落としたまま横断歩道を渡る観光客と、ぎりぎりでよける自転車
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混雑した交差点を、うつむいてスマホを見ながら渡る

「歩きスマホ」は日本でよく話題になる嫌がられる行動で、**道路を渡りながら**となると、マナーとしてよく思われないだけでなく本当に危険です。曲がってくる車や、すり抜けてくる自転車が見えないからです。神奈川県大和市は2020年に、歩きスマホについての全国初の条例まで作りました(罰則はありません)。

歩道の端、お店の前に立ち止まって手早くスマホを確認する旅行者と、そのまわりをスムーズに歩いていく他の歩行者
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歩いている間はスマホをしまう

荷物を持って電車を降りるときと同じで、立ち止まり、脇に寄ってからスマホを見ましょう。歩きながら道を確認したいときは、歩道の端に寄って立ち止まってから見ます。歩きながらスマホを見ると、ぶつかる危険が高くなります。それに、周りからも目立ちます。歩いている間はスマホをしまいましょう。📱

誰もいない道で待つことが、なぜそんなに目立つのか

日本の公共の秩序の多くは、警察や罰金によって保たれているわけではありません。周りのほとんどの人がそうしているから保たれているのです。誰が仕切らなくても行列ができることが多く、誰も見回らなくても電車の中は静かで、近所が分別するから家庭でもゴミを分けます。真夜中の誰もいない道で赤信号を待つのも同じ仕組みです。ルールはルールで、みんなが守るからこそルールとして生きています。

ルールを破っても、怒鳴られることはめったにありません。その代わりに、もっと静かな非難を向けられるかもしれません。歩道で隣にいた人にちらりと見られる、ドライバーに少し長く見られる。気にしていないと見逃してしまうほどの、小さなサインです。

知っておきたい2つの例外

  • 明らかに故障している田舎の信号:車が一台も見えないのに、歩行者信号が赤のまま止まっているように見えるなら、そのうち渡る人もいます。めったにないことで、起きればすぐにわかります。
  • 緊急のとき:本当の緊急事態なら、周りの人も分かってくれます。ただ「ディナーの予約に遅れそう」は、それには当たりません。

日本の公共の場でのスマホ

少し話はそれますが、触れておきたいことがあります。日本のスマホのマナーは、主にみんなのいる場所で、音や見た目で周りに迷惑をかけないことが軸になっています。鉄道会社は電車内での通話を控えるよう呼びかけています。大きな音で動画を見ない。自撮り棒で通路をふさがない。交差点で歩きスマホをしない。根っこにあるのはどれも同じで、公共の場はそこにいるみんなのもの、スマホは自分だけの道具だということ。この2つを混ぜないようにしましょう。

クイズで確認

歩行者信号のルールをおさらいする3問です。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 誰もいない交差点なら、車が来ないので赤信号でも渡っていい?

  2. Q2 歩行者信号の青点滅は「急いで渡れ」という意味?

  3. Q3 交差点を渡りながらスマホを見るのは、安全でマナー的にも問題ない?