相撲観戦のマナー:自分が話題にならずに本場所を楽しむコツ

本場所はにぎやかでお祭りのような雰囲気で、意外と気楽に楽しめます。ただ、有名な座布団投げをまねしたり、力士が立ち合う直前に大声を出したりと、観光客がうっかり一線を越えてしまう場面がいくつかあります。周りに自然になじむためのコツを紹介します。

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番狂わせで座布団を投げる

番狂わせのあと、周りの人が頭を下げて避ける中、立ち上がって座布団を館内に投げようとする観光客
NG

横綱が負けた瞬間に座布団を投げる

動画で見たことがあるかもしれません。横綱が格下の力士に負けたとたん、館内に座布団が一斉に舞うあの光景です。公認の伝統のように見えるので、観光客が自分の座布団をつかんで加わったり、さらには自分から投げ始めてしまったりすることがあります。問題は、満員の館内で座布団を投げれば、実際に人がけがをするおそれがあることです。日本相撲協会は座布団投げをはっきり禁止していて、館内アナウンスや公式の案内で、投げないよう呼びかけています。

番狂わせのあと、他の場所では座布団が飛んでいる中、落ち着いて座って拍手する観客
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地元の人たちの伝統には手を出さない。自分からは始めない

たしかに座布団投げは、横綱が大番狂わせで敗れたときに今も自然に起こる、観客の本物の反応です。相撲の盛り上がりの一部で、これからもなくなることはないでしょう。ただ、安全のため公式に禁止されていて、観光客が口火を切るのは絶対に避けるべきです。大きな番狂わせのあと、周りで本当に座布団が一斉に舞ったなら、それは観客たちがいつものように反応しているだけです。自分は座ったまま、その光景を楽しめばいいのです。自分から投げ始めたり、ふつうの勝負のあとに投げたりすれば、「12列目の人に座布団をぶつけた外国人」になってしまいます。🤼

声援ややじのタイミングを間違える

取組前の静かな睨み合いの最中に大声で叫びブーイングする観客と、不快そうに見る周囲の人々
NG

仕切りの最中に大声を出し、力士にやじを飛ばす

相撲は欧米のスタジアムスポーツとは違い、声を出すリズムも独特です。観客の中には、ずっと叫んでいる人や、仕切りの最中に力士の名前を叫ぶ人がいます。仕切りとは、取組の前に力士がしゃがんでにらみ合い、塩をまく、あの張りつめた時間のことです。立ち合い直前の静まり返った瞬間に叫ぶ人さえいます。やじや、その最後の静けさをかき消すような大声は、ファンや解説者から広く批判されています。あの静かな緊張感も、儀式の一部だからです。この瞬間にスマホを鳴らしてしまうのも、同じように迷惑です。

二人の力士がぶつかり合う瞬間に拍手し力士の名前を呼ぶ観客
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場の空気を読む。立ち合いの前は静かに、取組が始まったら声を出す

仕切りが最後のにらみ合いに入ると、館内は静まり、少しずつ気持ちが高まっていきます。力士がぶつかり合い、取組が始まってからが、声を出すタイミングです。力士の名前を呼び、「がんばれ!」と声をかけ、勝負がついたら拍手しましょう。取組そのものはあっという間で、数秒で終わることもよくあります。そのため声援は、ずっと続く大歓声ではなく、短く一気に沸き上がるものです。やじは飛ばさず、スマホはマナーモードに。観客のリズムに合わせれば、常連になったような気分で楽しめます。👏

枡席をスタジアムの座席のように使う

窮屈な畳の枡席で取組中に立ち上がって後ろの視界を遮る観光客、周りにはゴミが散乱
NG

取組中に立ち上がる、枡席で寝そべる、ゴミを置いて帰る

いちばんの特等席は枡席です。床の上に低い仕切りで区切られた小さな席で、中に座布団が敷いてあり、多くは4人分として売られています。中は狭いので、スタジアムの椅子に慣れた観光客は、よくある失敗を3つしがちです。取組の最中に立ち上がったり歩き回ったりして、後ろの人の視界をさえぎる。足を投げ出して寝そべり、4人用の枡を一人で占領する。弁当の空き箱やビールの缶、焼き鳥の串を床に残したまま帰る。みんながぎゅうぎゅうに座っている場所では、どれも周りの人をいらっとさせます。

取組の合間に畳のボックスで靴を脱いで座布団に座り、弁当を食べビールを飲むグループ
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靴を脱ぎ、取組中は座ったまま、ゴミは持ち帰る

靴を脱いで、枡席の座布団に座りましょう。席での飲食は許されていて(土俵まわりの溜席を除く)、楽しみのひとつです。弁当、ビール、焼き鳥は相撲観戦の定番で、両国国技館では地下でちゃんこ(力士が食べるボリュームたっぷりの鍋)も味わえます。ただし、動くタイミングには気をつけましょう。立ち上がって体を伸ばしたりトイレに行ったりするのは、取組と取組のあいだに。二人の力士が向き合っている最中はやめておきます。帰るときはゴミを持ち帰り、袋にまとめてゴミ箱に捨てましょう。枡席は窮屈そうだと思うなら、館内の上の階にある椅子席のほうが膝に楽です。🍱

力士に群がり、フラッシュをたく

廊下で力士に群がりつかみかかりながらカメラのフラッシュを焚く観光客たち
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近くを通る力士にフラッシュをたく、三脚を立てる、体をつかむ

力士は、会場の中や周りで、ファンのすぐ近くを通ることがあります。これを撮り放題のチャンスと勘違いして、フラッシュをたいたり、三脚を立てたり、通路をふさいだりする観光客がいます。そして完全に一線を越えているのが、写真を一緒に撮ろうと力士の体をつかんだり、群がったり、追いかけたりすることです。フラッシュや三脚は周りの迷惑になり、ふさがれた通路は危険です。日本相撲協会は、力士や審判に触れないようはっきり求めています。

廊下を通り過ぎる力士に軽く会釈してさっと一枚撮る観客
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静かに撮る、体には触れない、撮影のルールを守る

自分の席からの撮影は、基本的には問題ありません。ただし、フラッシュや三脚は使わず、通路をふさいで居座らないこと。力士が近くを通ったら、その場から敬意を込めてさっと一枚撮ったり、軽く会釈したりするのが、控えめな接し方です。絶対にしてはいけないのは、体に触れること、行く手をふさぐこと、後をついて回ることです。例外にも注意しましょう。土俵まわりの溜席では、主催者の許可のない撮影は禁止です。また場所によっては、会場の外で力士の入り待ち・出待ちをしないよう協会が求めています。プロのアスリートとして接すれば、ちゃんといい一枚が撮れます。📸

本場所は、厳粛な儀式というよりお祭り

相撲は、外から見ると近寄りがたい世界に見えるかもしれません。古くからの儀式、神道に由来する塩まき、きらびやかな装束をまとった厳かな行司。そのため初めての人は、堅苦しく、美術館のように静かな場所を想像して身構えてやってくるかもしれません。でも、実際はそうではありません。本場所は、一日がかりのにぎやかなお出かけです。人が出たり入ったりし、弁当をつまみ、ビールを開け、館内は活気にあふれています。本場所は年に6回。東京の両国国技館で3回、大阪、名古屋、福岡で1回ずつ開かれます。

コツは、にぎやかな観客が急に静まり、儀式に集中する数少ない場面を知っておき、そこでへまをしないことです。そこさえ押さえておけば、あとは一日のんびり楽しめます。

声を出すリズム

いちばん役に立つのは、取組前の儀式である仕切りを知っておくことです。二人の力士が土俵に上がり、塩をまいて清め、しゃがんでにらみ合い、いったん立ち上がって、また同じことを繰り返します。幕内ではこれが数分続くこともあり、最後のにらみ合いになると館内は静まります。そして力士がぶつかり合うと、館内がどっと沸きます。取組はほんの数秒で終わることもよくあります。

つまり、静かに待って、一気に沸く。これがパターンです。立ち合い直前の静けさの中で叫ぶのはやめ、取組が始まったら力士の名前を呼んでがんばれと声をかけ、勝負がついたら拍手をしましょう。やじはなし。スマホはマナーモードにしておきます。

座る場所で楽しみ方が変わる

有名な一階の升形の席が枡席です。座布団の敷かれた小さな升形の席で、多くは4人分として売られ、靴を脱いで座ります。狭いぶん雰囲気は抜群で、その日の取組を見ながら飲んだり食べたりするのにぴったりです。上の階には椅子席があり、土俵との近さは劣るものの、座るのが楽です。どちらの席でもマナーは同じです。動くのは取組の最中ではなく、取組と取組のあいだに。そしてゴミは持ち帰りましょう。

気をつけたい2つの落とし穴

観光客が特に間違えやすいのは、座布団投げと、会場での力士への接し方の2つです。横綱が負けたあとの座布団投げは観客の本物の伝統ですが、安全のため公式に禁止されていて、自分から始めるのは絶対にやめましょう。そして、力士が近くを通るときのルールはシンプルです。静かに撮る写真はOK、体に触れるのは絶対にNGです。

クイズで確認

にぎやかさと敬意のバランスがつかめたか、3問で確かめてみましょう。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 横綱が負けたとき、座布団を投げてもいい?

  2. Q2 取組が始まってから「がんばれ!」と声をかけ、勝負がついたら拍手してもいい?

  3. Q3 枡席で飲んだり食べたりしてもいい?