日本のドローン規制がこれほど厳しい理由
日本のドローン規制が大きく強化されたきっかけは、2015年に微量の放射性物質を積んだドローンが東京の首相官邸の屋上で見つかった事件です。この事件で日本の空の規制の穴が明らかになり、すぐに法整備が進みました。2015年に航空法が改正されてドローンに関する規定が加わり、その後2019年と2022年の改正で、ルールはさらに厳しくなっています。
今の制度は、何種類もの規制が重なってできています。空港や基地、政府の建物のまわりの飛行禁止エリア。主な都市の中心部をカバーする人口集中地区(DID)のルール。操縦に関わらない人から30メートル以上離れるという人との距離のルール。高さ150メートルまでという高度の上限。目で見える範囲で飛ばすという目視のルール。夜間飛行の制限。そして、国立公園や世界遺産、神社やお寺、自治体がそれぞれ定めている独自のルールです。有名な観光地の多くでは、このうち複数が同時に当てはまります。
安全な考え方は、まず「飛ばしてはいけない」と思っておき、飛ばしていいことを確かめてから飛ばす。 その逆ではありません。
規制の中身を具体的に見ると
- 人口集中地区(DID) — 東京、大阪、京都の中心部のほぼ全域をはじめ、主な都市のほとんどが含まれます。飛ばすには、DIPSを通じて国土交通省の許可を取る必要があります。許可がなければ飛ばせません。
- 人の多い場所 — 国土交通省の承認がなければ、操縦に関わらない人から30メートル以上離れ、人が集まっている場所の上は飛ばさないこと。「ちょっとだけなら」という例外はありません。
- 空港や基地のまわり — 空港周辺の規制空域は数キロ先まで広がっています。防衛関係施設などの重要施設のまわりにも、小型無人機等飛行禁止法による飛行禁止エリアがあります。違反は刑事罰の対象です。
- 有名な観光地 — 富士山、有名な神社、お寺の境内など、多くの有名な場所が、国のルールに加えて独自のドローンのルールを設けています。ドローンを荷物に入れる前に、行き先ごとのルールを確かめておきましょう。
知っておくと役立つこと
- 機体の登録が必要 — 2022年から、重さ100グラム以上のドローンは、日本で飛ばす前に国土交通省への登録が必要になりました。旅行者も対象ですが、登録はDIPSからオンラインで、英語でも手続きできます。登録すると登録記号が発行され、機体に表示しなければなりません。登録が必要な重さのドローンを登録せずに飛ばすと、飛ばした場所の問題とは別に、それ自体が違反になります。
- 100グラム未満の小型ドローン — 100グラム未満のドローンは、模型航空機の扱いになるため、登録、DIDの許可、人との距離のルールは適用されません。ただし、空港周辺、高い高度での飛行、小型無人機等飛行禁止法の重要施設(この法律には重さの下限がありません)、各地のルールは引き続き適用されます。旅行の写真用にドローンを持っていきたいなら、100グラム未満の機種がいちばん手軽です。
- 罰則と処分 — DIDや人混みの上空で許可なく飛ばすと、航空法で最大50万円の罰金が科されることがあります。首相官邸、国会、皇居、原子力施設、自衛隊や米軍の基地などの重要施設を対象にした別の法律(小型無人機等飛行禁止法)では、最大で1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(2025年6月の刑法改正で、懲役は拘禁刑に変わりました)。処分は現実のもので、軽くはありません。
- ドローン撮影サービスを頼む — 特定の場所の空撮映像がほしいけれど、規制の手続きを自分でするのは大変、という場合は、日本のドローン撮影会社に依頼する方法もあります。許可の手続きも含めて、合法的に飛ばしてもらえます。規制の手続きを自分でこなすより、気が楽なこともあります。
クイズで確認
ドローンのルールが身についたか、3問で確かめてみましょう。20秒ほどで終わります。