日本のスマホカメラが大きい音を出す理由(キャリアの取り決め)

日本で売られているスマホは、ほぼ例外なくシャッター音が鳴ります。法律ではなく、盗撮を防ぐためのキャリアとメーカーの自主的な取り組みです。海外のスマホで無音撮影をするのはグレーゾーンで、周りの人に気づかれることがあります。

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日本のスマホでシャッター音を消そうとする

静かな日本の図書館で、日本のiPhoneのサイレントスイッチを必死に切り替えながら本棚を撮影しようとする若い観光客。スマホからは漫画風のシャッター音アイコンが飛び出し、本人は恥ずかしそうな表情、別の利用者がいらだち気味にこちらを見ている
NG

マナーモード(サイレント)にすれば、カメラも静かになると思う

日本で売られているスマホは、日本で買ったiPhoneも含めて、マナーモードかどうかに関係なくシャッター音が鳴るように設定されています。これは1つのメーカーの仕様ではなく、日本のキャリアとスマホメーカーが長年続けている自主的な取り組みです。ふつうの撮影では、消音スイッチを切り替えても、音量をゼロにしても、マナーモードにしても、シャッター音は変わりません。標準のカメラの設定で、簡単に消すこともできません。人前で消そうとしても、静かになるどころか、あたふたするだけで終わるでしょう。

明るい駅のホームで、同じ若い観光客が日本のiPhoneで電車を落ち着いて撮影している。スマホの上に小さなシャッター音アイコンが見え、本人はリラックスした親しみある表情、周囲に反応する人はいない
OK

シャッター音は受け入れる。電車や公共の場で人を守るための仕組みです

シャッター音は、キャリアとメーカーの自主的な取り組みで、法律ではありません。キャリアは、電車や店などでの隠し撮り、つまり盗撮を防ぐためだと説明しています。聞こえるシャッター音が、その抑止力になっています。図書館や静かな美術館、改まった式典など、シャッター音が気まずい場面では、専用のカメラを使うか、その場での撮影はあきらめましょう。

シャッター音の鳴らない海外のスマホを使う

満員の東京通勤電車内で、海外モデルのiPhoneを腰の高さで座っている乗客の方に向けて構える観光客。シャッター音アイコンは見えず、近くの通勤客二人が疑わしげに不快そうにこちらを見ている
NG

海外で買ったシャッター音の鳴らないスマホで、混んだ電車や人の多い場所で無音撮影する

日本以外で買ったスマホ、特に海外モデルのiPhoneやAndroidは、シャッター音が固定されていないことがよくあります。観光客が海外のスマホで無音撮影をすること自体は、違法ではありません。ただ実際には、人の密集した閉じた空間で音もなく人を撮っていれば、気づかれることがありますし、周りの人を不安にさせることもあります。シャッター音は周りへの合図にもなっていて、混んだ電車で音がしないと、怪しく見えることがあります。

同じ観光客が電車内で、海外モデルのiPhoneを胸の高さに構え、明らかに窓越しの駅名サインに向けている。集中した親しみある表情で、周囲の通勤客はリラックスして気にしていない
OK

法律だけでなく、周りからどう見えるかも意識する

景色や建物、料理を撮るだけなら、海外のスマホで音がしなくても気にする人はまずいません。でも混んだ電車の中や、近くに人がいる場所では、シャッター音がしないことで注目され、不審に思われるかもしれません。盗撮ではないことがひと目でわかるように撮りましょう。スマホは胸の高さで、撮りたいものにまっすぐ向けます。腰の高さで人のほうに向けるのは避けましょう。

海外のスマホで無音カメラアプリを使ってシャッター音を回避する

混雑した駅のホームで、海外スマホにサードパーティの無音カメラアプリを開いた観光客が、近くに座っている何も知らない通勤客にこっそりカメラを向けている。スマホの上にバツ印のシャッター音アイコン、本人は罪悪感のある不安げな表情
NG

日本で人を音もなく撮るために、無音カメラアプリを入れる

シャッター音をまったく鳴らさずに撮れるアプリはたくさんあります。海外のスマホならこうしたアプリも使えますし、観光客が使うこと自体は違法ではありません。しかし、電車の乗客や更衣室、トイレの近くにカメラを向けるなど、盗撮と受け取られる状況で使えば、どんなスマホであっても、重大なマナー違反であるうえ、日本の盗撮を禁じる法律で罪に問われるおそれがあります。技術的にできるからといって、その行為が許されるわけではありません。

静かな日本庭園にしゃがみ込み、無音カメラアプリを使う海外スマホで石灯籠と苔を撮影する同じ観光客。スマホの上にバツ印のシャッター音アイコン、落ち着いた集中した表情、周囲に人はいない
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無音アプリは景色や料理を撮るならOK。はっきりした同意なしに人を撮るのはNG

静かな庭園や、撮影を許可された厳かな儀式など、大きなシャッター音が気まずい場面では、海外のスマホで無音カメラアプリを使うのは現実的な方法です。分かれ目は、何のために、どんな場面で撮るかです。景色、料理、建物、旅の記録ならOK。本人が知らない、同意していない人を撮るのは、特に閉じた空間では、どんな状況でもNGで、犯罪になるおそれもあります。

日本のスマホでシャッター音が消せないのはなぜか

日本のスマホのシャッター音は、キャリアによれば盗撮を防ぐためのものです。2000年ごろに最初のカメラ付き携帯電話が出てから、日本のキャリアとスマホメーカーが自主的に続けている取り組みです。iPhoneでも、サムスン、ソニー、シャープ、富士通など、ほかのメーカーのAndroidでも同じです。日本のキャリアで売られたものなら、消音スイッチをオンにしても、音量をゼロにしても、マナーモードにしても、撮影すると音が鳴ります。ふつうの撮影では、簡単に切り替えるスイッチはありません。

一方、日本以外で買ったiPhoneなどの海外モデルには、この制限がないことがよくあります。アメリカやヨーロッパからいつものスマホを持って来た人は、混んだ通勤電車に乗って、ほかの人のカメラはみんな音が鳴ると気づくまで、自分のシャッターが無音だとは気づかないかもしれません。日本では、シャッター音がしないこと自体が周りへの合図になり、気づく人もいます。混んだ場所での無音撮影は、観光客らしいというより、怪しく見えることがあるのです。

シャッター音は機能ではなく、盗撮を防ぐための仕組みです。混んだ場所でその音がしなければ、周りから注目されるのはあなたのほうかもしれません。

実際にはどうすればいいか

  • シャッター音は受け入れる — 図書館や静かな美術館の展示室、改まった式典などの静かな場所では、大きなシャッター音をそのまま受け入れるか、撮影をあきらめましょう。どちらかを選ぶしかないのです。
  • 海外のスマホで混んだ場所にいるとき — スマホは胸の高さで見えるように持ち、撮りたいものにはっきり向けましょう。何を撮っているのか、誰が見てもわかるようにしておくことが大切です。
  • 海外のスマホの無音カメラアプリ — 景色や料理を撮るなら、たいてい問題ありません。ただ、閉ざされた空間で人に向けて使うと、スマホをどこで買ったかに関係なく、日本の盗撮に関する法律で犯罪になるおそれがあります。

知っておくと役立つこと

  • 日本版と海外版のiPhone — 日本向けのiPhone(型番がJ/Aで終わるもの。日本のApple Storeやキャリアで買ったもの)は、日本ではマナーモードでもシャッター音が鳴ります。海外で買った海外モデルは、日本で使っても、たいてい鳴りません。
  • 音量の設定では消えない — 日本で売られているiPhoneでは、シャッター音は着信音やメディアの音量とは別に扱われます。音量を下げても、消音スイッチをオンにしても、シャッター音は消えません。
  • 改まった場での無音撮影 — 茶道や伝統芸能、撮影の許可をもらった会食などを撮るなら、無音の電子シャッターに設定したミラーレスなどの専用カメラを使うほうが、回避アプリを入れたスマホより向いていることが多いです。
  • シャッター音と法律は別のもの — シャッター音は法律で決められたものではなく、2000年ごろから続くキャリアとメーカーの自主的な取り組みです。それとは別に、日本では各都道府県の迷惑防止条例と、2023年7月に施行された国の法律(いわゆる撮影罪)で、盗撮ははっきり犯罪とされています。撮影罪(同年6月に成立した法律による)は性的な姿をひそかに撮影することを全国で処罰するもので、3年以下の拘禁刑が科されることもあります。シャッター音の取り組みは、この法律より20年以上前からあり、法律とは関係なく続いています。

クイズで確認

シャッター音のルールがわかったか、3問で確かめてみましょう。20秒ほどで終わります。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 日本で買ったiPhoneは、マナーモードにすればシャッター音が消える?

  2. Q2 海外のスマホを持つ観光客が、日本で無音カメラを使うのは違法?

  3. Q3 日本のシャッター音の取り組みは、日本のキャリアで売られている主要メーカーのスマホすべてに当てはまる?