日本のスマホでシャッター音が消せないのはなぜか
日本のスマホのシャッター音は、キャリアによれば盗撮を防ぐためのものです。2000年ごろに最初のカメラ付き携帯電話が出てから、日本のキャリアとスマホメーカーが自主的に続けている取り組みです。iPhoneでも、サムスン、ソニー、シャープ、富士通など、ほかのメーカーのAndroidでも同じです。日本のキャリアで売られたものなら、消音スイッチをオンにしても、音量をゼロにしても、マナーモードにしても、撮影すると音が鳴ります。ふつうの撮影では、簡単に切り替えるスイッチはありません。
一方、日本以外で買ったiPhoneなどの海外モデルには、この制限がないことがよくあります。アメリカやヨーロッパからいつものスマホを持って来た人は、混んだ通勤電車に乗って、ほかの人のカメラはみんな音が鳴ると気づくまで、自分のシャッターが無音だとは気づかないかもしれません。日本では、シャッター音がしないこと自体が周りへの合図になり、気づく人もいます。混んだ場所での無音撮影は、観光客らしいというより、怪しく見えることがあるのです。
シャッター音は機能ではなく、盗撮を防ぐための仕組みです。混んだ場所でその音がしなければ、周りから注目されるのはあなたのほうかもしれません。
実際にはどうすればいいか
- シャッター音は受け入れる — 図書館や静かな美術館の展示室、改まった式典などの静かな場所では、大きなシャッター音をそのまま受け入れるか、撮影をあきらめましょう。どちらかを選ぶしかないのです。
- 海外のスマホで混んだ場所にいるとき — スマホは胸の高さで見えるように持ち、撮りたいものにはっきり向けましょう。何を撮っているのか、誰が見てもわかるようにしておくことが大切です。
- 海外のスマホの無音カメラアプリ — 景色や料理を撮るなら、たいてい問題ありません。ただ、閉ざされた空間で人に向けて使うと、スマホをどこで買ったかに関係なく、日本の盗撮に関する法律で犯罪になるおそれがあります。
知っておくと役立つこと
- 日本版と海外版のiPhone — 日本向けのiPhone(型番がJ/Aで終わるもの。日本のApple Storeやキャリアで買ったもの)は、日本ではマナーモードでもシャッター音が鳴ります。海外で買った海外モデルは、日本で使っても、たいてい鳴りません。
- 音量の設定では消えない — 日本で売られているiPhoneでは、シャッター音は着信音やメディアの音量とは別に扱われます。音量を下げても、消音スイッチをオンにしても、シャッター音は消えません。
- 改まった場での無音撮影 — 茶道や伝統芸能、撮影の許可をもらった会食などを撮るなら、無音の電子シャッターに設定したミラーレスなどの専用カメラを使うほうが、回避アプリを入れたスマホより向いていることが多いです。
- シャッター音と法律は別のもの — シャッター音は法律で決められたものではなく、2000年ごろから続くキャリアとメーカーの自主的な取り組みです。それとは別に、日本では各都道府県の迷惑防止条例と、2023年7月に施行された国の法律(いわゆる撮影罪)で、盗撮ははっきり犯罪とされています。撮影罪(同年6月に成立した法律による)は性的な姿をひそかに撮影することを全国で処罰するもので、3年以下の拘禁刑が科されることもあります。シャッター音の取り組みは、この法律より20年以上前からあり、法律とは関係なく続いています。
クイズで確認
シャッター音のルールがわかったか、3問で確かめてみましょう。20秒ほどで終わります。