お寺の中の撮影NG — どこまでが線引き?

お寺の外観や庭、五重塔はたいてい撮影OK。でも、ご本尊がまつられている本堂の中は、撮影禁止のことが多くあります(どこでもというわけではありません)。どこからが撮影NGなのか、線引きをはっきりさせました。

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本堂の中で写真を撮る

薄暗い寺の本堂の中で、観光客が須弥壇の金色の仏像にスマートフォンを向けている
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お堂の中で、仏像や祭壇にスマホを向ける

お寺のお堂の中には、そのお寺でいちばん大切なもの、つまりご本尊の仏像、祭壇、儀式の道具、そして多くの場合は何百年も前の美術品が納められています。多くのお寺では、これらを気軽に撮影するには神聖すぎる、あるいは傷みやすすぎる(古い木材や塗料は傷みやすいのです)ものとして扱っています。撮影が禁止されている場合は、たいてい入り口の掲示に「撮影禁止」と書かれています。それを無視して中で写真を撮れば、僧侶やお寺の人からきっぱり注意されることがあります。

寺の本堂の敷居をまたぐところでスマートフォンをポケットにしまい、自分の目で須弥壇を見上げている観光客
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中に入る前にスマホをしまい、撮るのは外観だけにする

撮影禁止の掲示がある本堂の敷居をまたいだら、スマホはポケットへ。お堂の中は写真に残すのではなく、自分の目で見て心に刻みましょう。お堂の外観、庭、塔、石灯籠、鐘楼、山門などは、たいてい撮影して大丈夫です。撮影禁止がいちばん多いのはお堂の中です。ただし、東大寺の大仏殿のように撮影できるところもあるので、入り口ごとに掲示を確かめましょう。

傷みやすいものの近くでフラッシュを使う

寺の彩色された木の板戸のすぐそばで観光客が明るいフラッシュをたき、古い彫刻が閃光に照らされている
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何百年も前の木彫りや、彩色された板戸のすぐそばでフラッシュを光らせる

撮影が許されている場所でも、古い木材や彩色された板戸、金箔、布の装飾など、傷みやすいものの近くでのフラッシュ撮影は禁止されていることがよくあります。古い美術品のまわりのフラッシュ禁止は、保存のための用心です。カメラのフラッシュが実際にどれほど傷みの原因になるかは専門家の間でも意見が分かれていますが、お寺や博物館は念のため慎重な側に立っています。

フラッシュを切って柔らかな自然光の下で寺の彫刻を撮る観光客と、画面に映る暗めだが落ち着いた写真
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フラッシュは切って自然の光で撮る。少し暗く写っても気にしない

お寺の境内に入る前に、カメラやスマホのフラッシュをオフにしておきましょう。暗ければISO感度を上げるか、少し暗めの写真になるのを受け入れましょう。最近のスマホの多くは、フラッシュなしでも暗い場所でそれなりにきれいに撮れます。

法要中の僧侶を撮影する

法要で読経する僧侶に、観光客が身を乗り出して望遠レンズをまっすぐ向けている
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読経や祈祷の最中に、僧侶をズームで撮る

朝のお勤め、葬儀、祈祷、行事などの法要は宗教的な儀式で、見せ物ではありません。それなのに、舞台の上の演者を撮るように、法要中の僧侶にまっすぐカメラを向ける観光客がときどきいます。これはぶしつけで失礼なことだと受け取られます。少なくとも、宗教的な行いをしている人を、本人の同意なしに撮影していることになります。

十分に離れた場所でスマートフォンを体の横に下ろし、法要で読経する僧侶を静かに見守る観光客
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静かに見守り、儀式の最中の人にカメラを向けない

法要の間はスマホを下ろし、敬意をもって見守りましょう。撮影が許されているお寺でも、特定の僧侶をアップで撮るのではなく、全体の様子を引きで撮るようにしましょう。僧侶や法要の写真がほしいなら、前もって寺務所で聞いてみてください。対応はお寺によって違います。

有名な観光寺院なら撮影ルールは関係ないと思う

寺の入口にある撮影禁止のピクトグラムの標識の前を、すでにカメラを目に当てた観光客が通り過ぎている
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「金閣寺はみんな撮っているし、ルールなんて関係ない」と考える

京都の金閣寺、奈良の東大寺、東京の浅草寺のような有名なお寺は観光客が多く、誰もが写真を撮っているので、撮影ルールもあってないようなものに見えます。でも、ルールは建物ごとに決まっています。外観はたいていOKですが、お堂の中が撮影禁止のところもあり、特に決められた場所は立ち入り禁止です。何千人もの観光客が金閣を撮影しているからといって、境内のどのお堂の中でも撮っていいわけではありません。入ろうとしている建物の掲示を必ず確かめましょう。

池のほとりの外から、水面に映る金色の楼閣を撮影している観光客
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有名な外観の景色を撮り、お堂の中の撮影禁止は守る

有名なお寺の定番の写真は、ほとんどが外観です。池に映る金閣寺の金閣、東大寺の大仏殿、浅草寺の雷門。これらはたいてい撮影して大丈夫ですし、どのみち撮りたいのはこういう写真のはずです。ただし、こうした写真でも個人で楽しむ範囲に限っているお寺もあります(たとえば金閣寺は、SNSを含め、公開するための撮影はしないよう求めています)。守るべきなのは、お堂の中と、撮影禁止の掲示がある建物です。

お堂の中が撮影禁止の理由

お寺のお堂は、3つの役割を同時に担っています。今も信仰が続く宗教施設、美術品の収蔵庫、そして観光地です。撮影禁止のルールがある場合、それはこの3つすべてに応えています。祈りや儀式に必要なのは静かな集中で、シャッター音や光るスマホの画面ではありません。お堂の中にある何百年も前の木彫りや彩色された板戸、金箔の仏像は本当に傷みやすく、お寺はフラッシュ禁止や撮影禁止でそれらを守っています。そして人の流れをさばく立場からすれば、「中は撮影禁止」のほうが、「部屋によっては撮影OK」よりずっと守ってもらいやすいのです。

よくある線引きはシンプルです。外観、庭、塔、境内は、どんどん撮って大丈夫。仏像や祭壇のある建物の敷居をまたぐときは、掲示を確かめ、撮影禁止ならスマホはポケットへ。わからないときもしまっておきましょう。どこでもこれを基本にしておけば、まず間違えることはありません。

建物の外では、カメラ歓迎。中では、掲示を確かめて、迷ったら目で見るだけ。

知っておくと役立つこと

  • 神社にもルールがある — 神社でも、境内は撮影できることが多いですが、奥の本殿の中にカメラを向けるのは禁止されていることがよくあります。お寺と同じように、掲示を確かめましょう。
  • 「撮影OK」の場所もある — お堂の中の一部を、撮影OKの掲示で撮影可にしているお寺もあります。
  • 禅の庭は撮ってOK — 龍安寺のような石と砂利の庭は、建物の中から眺めていても屋外です。座っている建物の中が撮影禁止でも、庭そのものの撮影は認めているお寺が多くあります。ただし、ルールはお寺によって違うので、掲示を確かめましょう。
  • お参りしている人への配慮 — 近くで手を合わせている人や、お線香をあげている人がいたら、少し距離をとり、写真に写り込まないようにしましょう。ルールというより、祈りの時間を過ごしている人への当たり前の敬意です。

クイズで確認

お寺での撮影ルールが身についたか、3問で確かめてみましょう。20秒ほどで終わります。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 日本のお寺の本堂の中は、どこでも写真を撮ってもいい?

  2. Q2 撮影が許されているお寺なら、古い彫刻や絵にフラッシュを使ってもいい?

  3. Q3 読経中の僧侶を、近くから撮影してもいい?