手水舎がある理由
神道では、神社に近づくことは、神様のいる場所に近づくことです。通勤で汗をかいたままいきなり話しかけるようなことはせず、入口で立ち止まって小さなお清めをし、「日常」から「神聖な参拝」へと気持ちを切り替えます。手水舎(てみずや。文字どおり「手を清める水の建物」)が、その境目です。
体をきれいにすることが目的ではありません。10分前にシャワーを浴びたばかりでも、手水舎は使います。これは象徴的なしぐさなのです。いつもとは違う場所に入ることを意識し、短い作法で気持ちを整え、すっきりした心で本殿に向かう。それがすべてです。
手水舎は体を清潔にするためではなく、敬意を持って参拝する準備ができていることを示すためのもの。
手順は柄杓一杯で
- 柄杓に一度だけ水をくむ — 右手で柄杓を持ち、水盤から一杯分の水をくみます。この一杯ですべての手順を行います。くみ直しはしません。
- 左手を清める — 水盤のすぐ外側、排水口の上で低く構えた左手に水をかけます。
- 持ち替えて右手を清める — 柄杓を左手に持ち替え、右手に水をかけます。
- 左の手のひらに受けて口をすすぐ — 柄杓を右手に戻し、くぼませた左の手のひらに少し水を注いで、その水を口に含みます。静かにすすぎ、水盤の脇に吐き出します(水盤の中には吐きません)。そのあと、もう一度左手に少し水をかけます。
- 柄を清めて柄杓を戻す — 柄杓を縦に立て、残った水が握っていた竹の柄を伝って流れるようにします。それから柄杓を伏せて置き場に戻します。
一杯の水で、ひと続きの流れ。スムーズにできれば、全部で1分もかかりません。
知っておくと便利なこと
- 柄杓のない手水舎 — 衛生上の理由で柄杓を撤去した神社もあります。そうしたところでは、小さな注ぎ口や竹の筒から水が流れ続けていることがあり、その水で手を清めるだけです。柄杓が見当たらなければ、手を清めるだけの簡単なやり方で構いません。
- お寺と神社 — 手水舎のあるお寺も多く、使い方はほぼ神社と同じです。一方、大きな香炉はふつうお寺にあるものです。
- 帽子・サングラス・スマホ — 敬意の表れとして、本殿に向かう前に帽子やサングラスを外す参拝者は多いです。本殿の中や儀式の最中など、撮影禁止の場所もあるので、表示を確認しましょう。
- 「使用中止」の表示 — 手水舎に「現在使用中止」や「展示のみ」といった表示が出ていることがあります。その場合はそのまま先に進みましょう。何も悪いことはしていません。
クイズで確認
手水舎の手順をしっかり覚えるための3問です。