真ん中を避ける理由
多くの神社では、参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」と呼ばれ、神様の通り道とされています。人がちょうどその真ん中を歩くと、象徴的に神様の通り道をふさいだり、そこに踏み込んだりすることになります。
このルールは、厳しく取り締まられているわけではなく、静かに守られています。多くの地元の人が、特に意識することもなく片側に寄って歩きますし、ガイドもよくこのルールを説明します。
真ん中を歩いてしまっても、何か悪いことが起きるわけではありません。ひどいことをしたわけでもありません。でもこのルールを知っていると、神社めぐりが「きれいな建物の間を歩くこと」から「その場所の空間の作法に参加すること」へと変わります。そのきっかけになる、小さなしぐさのひとつなのです。
真ん中は神様の通り道。人は左右どちらかを歩き、鳥居の前で一礼し、帰りにもまた一礼する。
知っておくと便利なこと
- 鳥居がいくつあってもルールは同じ — 明治神宮(東京)のような大きな神社には、長い参道に鳥居がいくつもあります。一礼は最初の鳥居と最後の鳥居で行いましょう。20基もあっても、全部で一礼する必要はありません。
- 伏見稲荷の果てしない鳥居 — 京都の伏見稲荷大社の有名な朱色の鳥居のトンネルは特別です。約1万基の鳥居が稲荷山の山道に沿って並び、一周はおよそ4kmあります。ひとつひとつに一礼していたらまったく前に進めません。正面の入口で一礼し、最初のうちは真ん中を外して歩き、あとは山歩きを気楽に楽しみましょう。極端なケースでは、ルールも柔軟に考えて大丈夫です。
- 鳥居の色と意味 — 赤(正確には朱色)の鳥居はおなじみで、特に稲荷神社でよく見かけ、魔除けの意味があるといわれます。塗装していない木の鳥居は古さの印ではなく、そういう様式です。石の鳥居もよくあります。色によってマナーが変わることはありません。
- 鳥居の写真 — 鳥居の写真を撮るのは、基本的に問題ありません。伏見稲荷の朱色のトンネル、海に浮かぶ厳島の大鳥居、明治神宮の大きな木の鳥居など、観光客の定番の写真は毎日のように撮られています。ただ、構図を決めるときは横に寄って、神様の通り道をふさがないようにしましょう。
クイズで確認
鳥居のマナーを確認する3問です。20秒ほどで終わります。