お通しとは何なのか
居酒屋に入って座ると、90秒ほどで目の前に小鉢が出てきます。漬物が少し、何かを乗せた豆腐がひとさじ、煮たかぼちゃが二切れ。誰も注文していません。数分後、テーブルの全員に配られていることに気づきます。そして会計では、一人あたり300〜700円の項目が現れます。多くは お通し、関西なら 突き出し、あるいは単に 席料 や チャージ と書かれています。
これが居酒屋のカバーチャージで、料理の形をしています。歴史は古く(何世代も前からある慣習です)、法的にも有効で(店が開示していれば裁判所も一貫して認めてきました)、入場料に相当します。払えば、その席は一晩あなたのものです。
料金と料理
技術的には一体ですが、頭の中で分けると理解しやすくなります。
- 料金は、居酒屋が「水を飲みに座った人」ではなく「支払う客」としてあなたを扱うための線引きです。多くの店が設ける2時間という標準的な枠の中で、席を確保し続ける根拠でもあります。
- 料理は、いい居酒屋が少しだけ腕を見せる場所です。メニューを開く前に、厨房が誇る旬の小さな一品が置かれる。
安い居酒屋はお通しを必要経費として扱い、安くて早く盛れるものを出します。真面目な居酒屋は第一印象のチャンスとして扱います。その差は口に入れた瞬間に分かります。
お通しが出てこない場合
払わずに済む状況は三つです。
- お通しなしを掲げるチェーン居酒屋 — 鳥貴族と、ワタミ系の三代目鳥メロ。串カツ田中は該当せず、キャベツのお通し代とワンドリンク制です。旅行者や若い地元客に人気なのは、まさにこれが理由です。
- 居酒屋以外の飲食店 — ラーメン、そば、寿司カウンター、昼の定食屋、ファミリーレストラン。お通しは居酒屋の文化であって、日本の飲食店全般の文化ではありません。
- ホテルのレストランや一部の洋風バー — 基本的に対象外ですが、カクテルバーの一部には同じように機能するテーブルチャージがあります。
旅の予算を締めていてお通しを完全に避けたいなら、上のチェーンがいちばん簡単な方法です。
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