日本の撮影スポットで、マナーが思った以上に大切な理由
日本でいちばん写真に撮られている場所は、撮影のために造られたわけではありません。伏見稲荷の鳥居は稲荷の神様への奉納物であって、撮影用のトンネルではありません。嵐山の竹林は守られている歴史的な景観で、写真の背景ではありません。金閣寺は今も続く禅宗のお寺です。世界的に有名な「映えスポット」になったからといって、その場所の本来の姿が変わるわけではなく、マナーもそれを反映しています。
撮影スポットで自然にできる順番待ちは、駅のホームの列が整然と保たれるのと同じ感覚から生まれています。人気の撮影ポイントに人が集まると、誰が仕切るでもなく順番ができることがよくあります。前に出て、撮って、場所を空ける。わざわざ口に出して言われることはなく、空気を読むことが求められているのです。
場所に立つ前に構図を決めておきましょう。3〜5枚撮ったら場所を空けます。撮り足りなければ、また並び直せばいいのです。
迷惑な観光客にならずに撮るには
- 2〜3分ルール — 構図は前もって決めておき、場所に立ったら撮って、すぐに移動します。撮った写真の確認は、場所をふさいだままではなく、脇に寄ってからにしましょう。
- 人が写り込むのは問題ない — 渋谷のスクランブル交差点を何百人もの人が渡っていく光景こそが、撮りたい写真のはずです。人をどかそうとするのは失礼ですし、そもそも無理な話です。
- 三脚は早朝に使うもの — そもそも三脚を使ってよい場所なら、朝早くに使いましょう。混雑する時間帯は、人の多いスポットでは三脚は周りの迷惑になります。
- 建造物に登ったり、寄りかかったり、寝そべったりしない — 歴史ある文化財です。鳥居に触れないと撮れない「ひねった」角度は、工夫ではなく傷みのもとです。
- 寺社の境内ではフラッシュはオフ — 門をくぐる前に切っておきましょう。お寺のいい写真の多くは、どのみち自然光で撮られています。
知っておくと役立つこと
- 嵐山の竹林は早朝がねらい目 — 平日の早朝は、ずっと空いていることが多いです。この時間帯は光も、日中ののっぺりした光よりやわらかく、撮影向きなことが多いです。
- 渋谷スクランブル交差点は上から撮る — 交差点そのものはいつも混んでいて、写真には必ず人が写ります。渋谷スカイの展望台や、MAGNET by SHIBUYA109の屋上から見下ろせば、スクランブル交差点を見下ろす広い写真を、地上で場所取りをせずに撮れます。
- 金閣寺の「手のひらに金閣」の写真 — 金閣を手のひらに載せているように見える遠近法の写真は、池の向こうの見学エリアから撮れます。腕を伸ばして手のひらを水平にし、建物の土台に合わせましょう。何回か試したら次の人に譲ります。
- 有名スポットでのドローンは禁止 — 京都や東京の中心部の多くは、国の許可がなければドローンを飛ばせない空域です。伏見稲荷をはじめ、境内でのドローンを禁止している神社やお寺も多くあります。飛ばせないものと考えておきましょう。
- 居座らずに並び直す — 1回目でうまく撮れなかったら、いったん脇に寄って、また順番に並び直しましょう。2回目に並ぶのはかまいませんが、10分も場所を占領するのはよくありません。
クイズで確認
撮影スポットのマナーをおさらいする3問です。20秒ほどで終わります。