日本の電車ドア — 並ぶ・降ろす・乗る

日本の電車の乗り降りには、きっちりした流れがあります。ドアの脇に並び、降りる人が全員降りてから順に乗る。この流れを乱すと、一気に周りの注目を集めてしまいます。

更新日

ドアの真ん前に立つ

開いた電車のドアの真正面に立ちふさがり、降りようとする二人の行く手をふさいでいる人
NG

電車が入ってくるとき、ドアの真正面に立っている

降りる人が出てくるちょうどその場所に、壁のように立ちふさがってしまいます。電車が止まってドアが開いても、誰も降りられません。最初に出られなくなった人から向けられる視線は、なかなか忘れられないものです。

開いた電車のドアの両脇にきれいに二列で並び、降りる乗客のために中央を空けている人たち
OK

ドアの両脇に、2列に分かれて並ぶ

たいていのホームには、それぞれのドアが止まる位置を示す目印があり、みんなその両脇に並ぶのが普通です。その目印の後ろに立ち、真ん中は降りる人のために空けておきましょう。仕組みはこれだけです。

降りる人が降りきる前に乗り込む

電車の出入口で乗ろうとする人と降りかけの人がぶつかり、気まずく押し合っている
NG

まだ人が降りているのに、乗り込もうとする

空いているように見えても、もう一人、すぐ後ろに降りる人がいます。降りている途中でドアの前に詰め寄ると、その人はあなたの横をすり抜けて降りなければならず、後ろの列も崩れます。結果的に、そのドアの乗り降りに倍の時間がかかってしまいます。

年配の女性が電車を降り終えるのを、ホームで二人が落ち着いて待っている
OK

降りる人が途切れるのを待ってから、順番に乗る

最後に降りる人がドアを抜けたら、それぞれの列の先頭から一人ずつ乗っていきます。ゆっくりに見えますが、押し合って乗るより、たいてい早く済みます。

ホームの目印を無視する

ホームの三角の足元表示を無視して適当な場所に立つ人と、表示に沿って並んでいた人が怪訝そうにそれを見ている
NG

適当な場所に立ち、ドアが開いたらそっちへ寄っていく

ホームの床の印は、それぞれのドアがどこに止まるかを示しています。路線によっては、編成の長さや種類が違う電車ごとに別の印があります。適当な場所に立っていると、たいてい誰かの列に割り込む形になってしまいます。

駅のホームに描かれた三角の表示の後ろに立ち、落ち着いて待っている人
OK

自分の乗るドアの目印を見つけて、きちんと並ぶ

ホームを歩いて、乗る電車に合った目印を探しましょう(路線によっては、編成の長さや種類で目印が分かれています)。見つけたら、その後ろに並びます。それだけで、周りの人もほっとします。

走ってくる友人のためにドアを押さえる

閉まりかけた電車のドアに大きなスーツケースを差し込んで、無理に開けたままにしようとしている人
NG

閉まりかけたドアにかばんや腕を差し込み、駆け込んでくる人を待つ

混み合う都市部の路線は、ラッシュ時には数分おきに走っていることがよくあります。一人のためにドアを押さえると、その電車と乗っている全員が遅れることがあり、駅員からアナウンスで注意されることもあります。次の電車は、たいてい数分後に来ます。

すでに閉まりかけたドアへ走ってくる友人に向かって、ホームの人が落ち着いて手を振っている
OK

ドアは閉まるに任せて、次の電車に乗る

自分や友人が乗り遅れたら、一歩下がって手を振り、数分待ちましょう。混み合う都市部の路線なら電車はひんぱんに来るので、1本乗り遅れても、たいした痛手にはなりません。

なぜ乗り降りの流れがこれほど大事なのか

東京の鉄道網は、世界でも有数の混み合う鉄道です。世界一利用者が多い駅とよく言われる新宿駅は、コロナ禍の前には1日に約350万人が利用していました。これだけの人数をさばけるのは、駅ごとの停車が短いからです。ドアが開き、降りる人が出て、乗る人が入り、ドアが閉まる。ひとつのドアでこの流れが乱れるだけで、電車全体が遅れることがあります。

この仕組みを支えているのは、主に駅員ではありません。周りのほとんどの人が手順を知っているから回っているのです。だから、流れから外れたときに直されるのも、たいていは無言です。ちらっと見られる、軽く体を傾けて避けられる、わざとらしく横をすり抜けられる。口で教えてくれる人はあまりいません。みんな、流れを止めないことで手いっぱいなのです。

ホームの目印の読み方

  • ドアの位置の印 — それぞれのドアが止まる位置のホームの床に、描かれたり貼られたりしています。左右どちらに並ぶかを示す線や矢印が付いていることも多いです。その後ろに並びましょう。
  • 色と編成の長さ — 複数の路線が同じホームを使う駅では、印が路線ごとの色になっていることがよくあります。路線によっては、編成の長さが違う電車が別の印の位置に止まります。自分の電車に合う印を確かめましょう。
  • 女性専用車 — 路線によっては、一部の車両が女性専用になります(主にラッシュ時)。その乗車位置は、ホームの表示で示されています。
  • 黄色い点字ブロック — ホームの端の近くにある、黄色いでこぼこの線の内側にいましょう。目の不自由な人を案内するためのもので、駅のアナウンスでも、みんなにこの線の内側で待つよう呼びかけています。

床の印は飾りではありません。その後ろに並べば、乗り降りは自然とスムーズに進みます。

知っておくと役立つこと

  • 混んだ電車ではリュックを下ろす — リュックは下ろして体の前に抱えるか、手で低く持つか、網棚に載せましょう。背負ったままだと、電車が揺れるたびに後ろの人にぶつかります。鉄道会社もよくそう呼びかけています。
  • 改札の前にICカードを用意する — Suica、PASMO、ICOCAなどは、改札に着く前に取り出しておき、さっとタッチできるようにしましょう。改札の前で財布の中を探していると、後ろの人がみんな詰まってしまいます。
  • 途中の駅でドアをふさがない — まだ先まで乗るけれどドアのすぐそばに立っているなら、混む駅ではいったんホームに降りて、乗り降りする人を通しましょう。そのあとで、また乗り込めば大丈夫です。
  • ラッシュアワーは別世界 — 山手線や中央線などの朝のラッシュは、すし詰めになることがあります。特に混む一部の駅では、今でも駅員が乗客を押し込むのを手伝うことがあります。大きな荷物は避けて、心に余裕を持って乗りましょう。

クイズで確認

乗り降りの流れを身につける3問です。20秒ほどで終わります。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 電車はほぼ空っぽ。中は十分空いているので、最後の一人がまだ降りている途中でも乗り込んでいい?

  2. Q2 ホームの床に描かれた印は、ただの飾り?

  3. Q3 友人がホームを走ってきて、ドアが閉まる音が鳴っている。リュックを差し込んでドアを押さえるべき?