店によって撮影のルールが変わる理由
日本の食文化はとても視覚的です。盛り付けはひとつの芸と考えられ、旬の食材が大切にされ、料理の見た目も食事の楽しみの一部です。料理の写真を撮る日本人も多く、ラーメンをスマホでさっと撮っても、まず誰も気にしません。ふだん使いの店のほとんどでは、撮るのは普通のことです。ルールがあるとすれば、撮るかどうかではなく、どう撮るかです。手早く、フラッシュなしで、周りの邪魔をせず、職人を動画のネタ扱いしないこと。
ただ、高級な店になるとルールが変わります。小さなおまかせのカウンターでは、職人の目の前に座り、自分のために一品ずつ仕上げられていく料理を眺めます。とても距離の近い場なのです。そこで3分間スマホを構えたり、フラッシュを光らせたり、盛り付けを動かしたりすると、にぎやかな大きな居酒屋でビールを撮るのとはまったく違う形で、その場の空気を壊してしまいます。
決まりごとはこれだけです。自分の料理は店の明かりで手早く撮る。ほかのお客さんは撮らない。職人を撮るなら先に聞く。盛り付けは動かさない。気軽な店ならルールはゆるやか。高級なおまかせの店では、その場の空気を読みましょう。
店の格によって何が変わるか
- 立ち食いのラーメン店、チェーンの居酒屋、回転寿司 — 料理の写真はたいてい問題ありません。料理やメニューを撮ってかまいません。ただし、フラッシュは使わず、ほかのお客さんを写さないようにしましょう。
- 手ごろな寿司店、町の割烹、地元の居酒屋 — 料理の写真はたいてい問題ありません。職人を動画に撮るなら先に聞きましょう。フラッシュはやめましょう。
- 高級なおまかせ、懐石、高級割烹 — スマホを出して15秒、1〜2枚撮ったらしまいます。職人を撮るなら先に聞きましょう。盛り付けは動かさず、料理が出てくるペースを乱さないようにします。
- 撮影禁止の貼り紙がある店 — ラーメン店や寿司のカウンターなど、撮影を禁止している店もあります。理由はさまざまで、できたてを食べてほしい、行列を早く回したい、料理やほかのお客さんのプライバシーを守りたい、などです。貼り紙に従って、食べることに集中しましょう。
知っておくと役立つこと
- 撮るタイミング — コースが決まっている懐石などでは、料理が出てきたらすぐ、職人が説明を始める前に撮りましょう。そうすれば説明に集中できます。
- インスタのための食事にしない — 寿司のカウンターを中心に、出したらすぐ食べてほしいと考える職人は多くいます。料理よりスマホを見ている時間のほうが長いなら、一線を越えています。
- お酒や抹茶を注ぐ動画 — 器に日本酒が注がれるところや、茶道の体験ができる店で抹茶が点てられるところを撮ってもいいか、よく聞かれます。たいていは撮っても大丈夫です。ただ、高級店で注ぐ様子を長く動画に撮るなら、先に聞きましょう。
- ほかのお客さんは撮らない — カウンター席では、スマホを自分のお皿の真上から下に向けて撮りましょう。職人の盛り付けを撮ろうとカウンターに沿って横向きに構えると、ほかのお客さんが写り込み、その人たちに不快な思いをさせることがあります。
クイズで確認
撮影マナーをしっかり身につけるための3問です。20秒ほどで終わります。