仲居さんとは
伝統的な旅館にチェックインすると、フロントからひとりの担当者に引き継がれることがよくあります。それが仲居さんです。着物姿の客室係で、滞在中の部屋のお世話をしてくれます。部屋に案内し、ウェルカムのお茶を入れ、お風呂や食事の時間を説明し、夕食を出し、布団を敷き、朝には朝食に合わせて部屋を整え直す。西洋のホテルなら、こうした仕事は客の目に触れないいくつもの部署に分かれています。旅館では、こちらが頼む前に必要なことを察して動いてくれる、落ち着いたひとりの人がすべてを担っているのです。
初めての人には、これがかなり手厚いお世話に感じられて、「こちらも何かお返しをしないといけないのでは」と心配になるのも自然なことです。チップを渡すべき? 手伝うべき? もてなすべき? 答えは簡単で、どれも必要ありません。こちらの役目は、ほとんどの場合、くつろいで流れに身を任せることです。ただ、ちょっとしたコツを知っておくと、ぐっとスムーズになります。
もてなしの流れ
旅館での滞在は、ゆったりとした決まった流れに沿って進み、その流れを取り仕切っているのが仲居さんです。
- 到着 — 部屋に案内してくれて、お茶とウェルカムのお菓子を出し、夕食と朝食の希望の時間を聞いてくれます。ここではっきり伝えましょう。このあとの段取りはすべてここで決まります。
- 夕食 — 部屋で一品ずつ出してくれる場合と、食事処でいただく場合があります。どちらでも、座ったまま給仕してもらいます。
- 布団の用意 — 夕食やお風呂に行っている間に、部屋を食事の場から布団を敷いた寝室へと整えてくれます。戻ってくれば、寝床ができています。
- 朝 — 布団が片付けられ、朝食が出されます。どれも仲居さんが先回りして用意してくれています。
こちらがすることはシンプルです。給仕のときは座ったまま、心を込めて「ありがとうございます」と伝え、仲居さんの仕事を取らないこと。ゆったりとした、行き届いたもてなしこそが旅館の価値です。それに身を任せるのは怠けているわけではなく、ビジネスホテルではなく旅館を選ぶ意味そのものです。
チップ、プライバシー、用事の頼み方
旅行者が特に迷いやすいのは、次の三つです。チップ: 求められておらず、何も渡さない人もたくさんいます。それでまったく問題ありません。それでも渡したいなら、心付けをきちんとした形で。少額をぽち袋に入れて、たいていは滞在の最初にさりげなく渡します。現金をそのまま渡すのは避けましょう。プライバシー: そっとしておいてほしいときは、部屋に「起こさないでください」の札があればドアにかけ、なければフロントに伝えましょう。用事を頼むとき: 廊下を歩き回らず、部屋の電話を使いましょう。とはいえ、よい仲居さんがついていれば、使う機会はめったにありません。
この三つを押さえておけば、旅館に慣れた人のようにスムーズに過ごせます。最後に、下のクイズでおさらいしましょう。