静かな電車 — 日本で着信音が「騒音」な理由

日本の電車では、話すなら小声で、スマホはマナーモード、通話も音漏れもNGです。破っても、たぶん怒鳴られることはありませんが、周りは気にしています。そのほうがかえってこたえます。

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車内で電話に出る

車内に立った人が電話で通話し、座っている四人の乗客が困った様子で耳をふさいでいる
NG

電話に出て話す(声の大きさに関係なく)

「10分後にかけ直すね」と小声でひと言いうだけでも、静かな車内では驚くほど響きます。鉄道会社は車内での通話を控えるよう呼びかけていて、ほとんどの人は電話に出ません。ドアの近くでも、車両の隅でも、ひそひそ声でも同じです。

電車で静かに座った人が、スマートフォンの不在着信の通知を見てメッセージで返信を打っている
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留守番電話にまかせて、メッセージで返すか、次の駅で降りる

急ぎの電話なら、次の駅で降りてホームでかけ直し、次の電車に乗りましょう。新幹線や特急には車両と車両のあいだにデッキがあり、そこでなら電話をしてもかまいません。普通の通勤電車にはたいていそうした場所はなく、電話をしてもいい「静かな隅」はありません。

マナーモードにせず着信音を鳴らす

車内で着信音が鳴り、音符が飛び出す中であわてる人を、他の乗客がじっと見ている
NG

着信音は最大音量、着メロは音楽、通知音も数分おきに鳴る

日本では、携帯電話を消音・バイブにする設定を「マナーモード」と呼びます。電車では、マナーモードにするよう呼びかけられています。静かな車内で着信音が鳴り出すと、周りの人がつい顔を上げてしまいます。

ホームで乗車前に、スマートフォンの側面のボタンを押してマナーモードに切り替えている人
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乗る前にマナーモード(バイブのみ)にする

改札を通るときに一度切り替えて、そのままにしておきましょう。マナーモードへの切り替えを呼びかける車内放送もよく流れます。地元の人の多くはそんな案内がなくても大丈夫。スマホは一日中マナーモードのままだからです。

イヤホンの音漏れ

車内でイヤホンから音楽が音符となって漏れており、隣の乗客が身を離している
NG

隣の人に歌詞が聞こえるほどの音量で音楽を聴く

耳をすっぽり覆うヘッドホンも、安いイヤホンも音漏れします。周りの知らない人にまで何の曲かわかるなら、その音量は「自分にちょうどいい」をとっくに超えて、「前後3席の人みんなに迷惑」なレベルです。

車内で片方のイヤホンを耳から外し、スマートフォンで音量を確かめている人
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周りの人に何も聞こえなくなるまで音量を下げる

簡単な確かめ方があります。イヤホンを耳から外し、腕を伸ばした距離まで離してみてください。それでも歌詞がはっきり聞こえるなら、大きすぎます。自分でも耳をすまさないと聞こえないくらいが目安です。

大きな声での会話や、音を出しての動画

車内で三人組が大声で笑い、他の二人の乗客が困って耳をふさいでいる
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グループで大笑いする、スピーカーで動画を流す、スピーカー通話でFaceTimeをする

友達同士で乗っていると、気づかないうちに居酒屋のような調子でしゃべってしまいがちです。友達に見せようとTikTokをスピーカーで流すのもNGです。車内が静かなのは、通勤している人たちの多くが、ほんの少しでも心の静けさを保とうとしているからです。大声のグループは、それを一瞬で壊してしまいます。

車内で二人が小声でささやき合い、奥では別の乗客が邪魔されずに静かに本を読んでいる
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声は図書館くらいの小ささで。音の出るものはイヤホンで

話すなら、静かなカフェで話すくらいの声にしましょう。動画を見せたいときは、イヤホンを片方ずつ使うか、音を消して字幕で見ます。周りの人たちも、ありがたく思うはずです。

電車がみんなで守る「静かな場所」になっている理由

日本の都市部の通勤は過酷です。山手線、中央線、大阪環状線。車内はぎゅうぎゅう詰めで、毎日同じ顔ぶれ、乗っている時間も長く、自分だけのスペースはほとんどありません。そんな中で、多くの人がほんの少しでも心の余裕を確保するための方法が、みんなで静けさを守ることなのです。

だからこのルールは、法律ではなく周りの目によって守られています。たいていは、直接注意してくる人はいません。でも、着信音も、大きな話し声も、イヤホンの音漏れも、周りの人は黙って気づいています。「知らなかった外国人観光客」と思われるか、「マナーの悪い外国人観光客」と思われるかの違いです。どちらかになるなら、前者でいたいところです。

電車では、マナーモードにするよう求められています。一度切り替えたら、あとは気にしなくて大丈夫です。

「マナーモード」という考え方

携帯電話には、どこの国でも消音やバイブの設定があります。日本では多くの人が、車にカギをかけるのと同じ感覚で、意識せずにこれをオンにします。日本ではこれをマナーモードと呼びますが、この名前には意味があります。ただ「音を消す」のではなく、周りの人への基本的な礼儀として位置づけられているのです。

多くの路線で、マナーモードへの切り替えと通話を控えるよう呼びかける放送が、日本語だけでなく英語でも流れます。乗ってすぐに耳にすることが多いでしょう。ほかに何もしなくても、乗る前にマナーモードに切り替えることだけはやっておきましょう。

知っておくと役立つこと

  • 優先席の近くでは、いっそう気をつける — 優先席(高齢者、妊娠している人、体の不自由な人、小さな子ども連れの人を表すピクトグラムが目印)の近くでは、混雑時に電源を切るよう求めている鉄道会社が多くあります。以前の「常に電源を切る」というルールは、ペースメーカーなどの医療機器への影響についての国の指針が見直されたあと、東京や関西をはじめ多くの鉄道会社で緩められました。それでも、優先席の近くでは特にスマホを控えめにしておくのがよいでしょう。迷ったら、ポケットにしまっておきましょう。
  • 新幹線の電話はデッキで — 新幹線では座席での通話は控えるものとされていて、車両と車両のあいだの小さなスペース(デッキ)で電話をします。電話は座席ではなく、そこでかけましょう。
  • 通勤電車と長距離列車での飲食 — 短い区間を走る混んだ通勤電車では、食事はよく思われないことが多いです。一方、指定席のある長距離の新幹線や特急では、お弁当を食べるのはごく普通のことです。
  • 鼻水とマスク — 風邪の症状があれば、マスクをつけることも考えましょう。これはコロナ禍に限った話ではなく文化的なもので、日本の通勤客の多くは何十年も前から、体調が悪いときにはマスクをつけてきました。

クイズで確認

マナーモードの感覚が身についたか、3問で確かめてみましょう。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 小声なら、30秒くらいの短い電話に出てもいい?

  2. Q2 最大音量でなければ、着信音が鳴ってもいい?

  3. Q3 友達に面白い動画を見せたい。スピーカーで小さく流すならいい?