電車内の会話 — 実際どこまで静かにすべきか

通話は完全にNG、会話は小声ならOK、優先席の近くでは混雑時にスマホの電源を切ります。明文化されていない「音量のルール」が実際どのくらいなのかを解説します。

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電車内で通話する

満員の東京の通勤電車でスマホを耳に当てて話す観光客と、さりげなく目をそらしたり、無言でとがめるように視線を向けたりする周りの乗客
NG

電話に出て、普段どおりの声で話す

日本の電車内では、ほとんどの人が通話をしません。鉄道会社は掲示や車内アナウンスで、車内での通話を控えるよう呼びかけています。着信音が鳴っただけで周りの人が振り向くこともあるので、実際に電話に出て話し始めれば、すぐに「マナーの悪い観光客」になってしまいます。同じお願いは通勤電車、地下鉄、多くのバス、そして新幹線でも出ています(新幹線では、通話は座席ではなく車両の間のデッキで)。

電車を降りた旅行者が静かなホームで折り返しの電話をしている。足元にリュックがあり、背景では電車が走り去っていく
OK

マナーモードにして、メッセージで返すか、降りてからかけ直す

乗る前にスマホをマナーモードにしておきましょう。電話がかかってきたら留守番電話に任せて、「電車を降りたらかけ直します」とメッセージを送ります。急ぎの用件なら、次の駅で降りてホームで電話し、次の電車に乗りましょう。10分ほど遅れますが、それが引き換えです。🤫

連れとカフェくらいの声でおしゃべりする

静かな車両で観光客3人が身ぶりを交えて話し、笑っている。近くの乗客はヘッドホンをしたりスマホを見つめたりして、明らかに気まずそうにしている
NG

レストランにいるときのような声で友達と盛り上がる

2〜3人がカフェで話すくらいの声で笑い合っているだけでも、日本の電車ではかなり目立ちます。特に朝の通勤時間帯や、声がよく響くガラガラの夜の電車ではなおさらです。日本の鉄道マナーのアンケートでも、騒々しい会話は迷惑な行為の上位に入っています。知らない人に直接注意されることはめったにないので、「静かに」と言われることはおそらくありません。ただ、周りがすっと静まり返ることがあります。その沈黙こそが周りからのサインです。

電車で並んで座る旅行者2人が身を寄せ合い、笑顔で、でも明らかにささやくような小声で話している
OK

周りの音量に合わせる(ほぼ無音のことも多い)

乗ったら周りを見渡してみましょう。本を読んでいる人、寝ている人、黙ってスマホを見ている人ばかりなら、それがその車両の音量です。合わせるには、ささやくくらいの声で、会話は短めに。車内がしんとして、どんな声も大きく聞こえる瞬間は話すのをいったん止めます。最初の数回は妙に窮屈に感じますが、慣れると不思議と心地よくなります。

優先席付近のルールを無視する

東京の電車で、はっきりマークの付いた優先席の横に立ってスマホをスクロールする観光客と、優先席に座って静かに見上げる高齢の乗客
NG

スマホの電源を入れたまま優先席の近くに座ったり立ったりする

多くの車両の端にある、高齢者・妊婦・けがや障害のある人・赤ちゃん連れのマークが付いた席が優先席です。ここでのルールは「必要なら席を譲る」だけではありません。優先席付近では、スマホは**マナーモードにし、混雑時は電源を切る**ことになっています。多くの鉄道会社が、以前の「常に電源オフ」というルールを緩めました(2015年に首都圏とその周辺の37社)。それでも「混雑時は電源オフ」は今も掲示されていて、混雑した優先席付近でスマホを操作していると目立ちます。

高齢の女性が乗ってきたので、旅行者が優先席から静かに立ち上がり、言葉はかけずに小さく席を示して脇へよける。スマホはすでにしまってある
OK

優先席の近くでは、スマホを完全にしまう

優先席に座ったり、そのそばに立ったりするときは、スマホをポケットかバッグにしまい、画面も消しておきます。高齢の方や妊婦の方、障害のある方が乗ってきたら、立ち上がって小さな声で「どうぞ」と言うか、小さく手で席を示して、その場を離れましょう。大げさにする必要はありません。断られたら、それでもかまいません。

イヤホンから音が漏れている

イヤホンをした観光客の耳から音が漏れ出ている様子のアップ。隣に座る乗客がわずかに顔をしかめ、少し体を離している
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車両中に聞こえるほどの大音量でイヤホンを使う

イヤホンから漏れる音楽や動画の音、数席離れた所から聞こえてくる「シャカシャカ」というドラムの音は「音漏れ」と呼ばれ、鉄道会社が気をつけるよう呼びかけているマナーのひとつです。静かな車内では、それほど大きくない音量でも、隣の人に歌詞がすべて聞き取れるくらい漏れていることがあります。隣の人にとっては本当に不快です。

混雑した電車で、旅行者が耳を覆うヘッドホンをつけ、スマホを手元に寄せて字幕付きの動画を見ている。車内はとても静か
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音量を下げ、できればヘッドホンやノイズキャンセリングを使う

自分にかろうじて聞こえるくらいまで音量を下げましょう。ノイズキャンセリングのヘッドホンやイヤホンを使うと、小さい音量でもはっきり聞こえるので役に立ちます。簡単なチェック方法は、イヤホンを外して腕を伸ばした距離で持ってみること。それでも音楽が聞こえるなら、隣の人にもおそらく聞こえています。動画はできれば音を消して字幕で見ましょう。日本の通勤客の多くがそうしています。

そもそも、なぜ日本の電車は静かなのか

日本の通勤電車は、とても狭い空間に膨大な数の人を乗せて走っています。東京の朝ラッシュでは車両がすし詰めになり、手を伸ばせば届く距離に他人が立っているほどです。よくある対応はシンプルで、ほとんどの人が車両をみんなで使う静かな部屋として扱うというものです。本を読む、眠る、スマホを見る、窓の外を眺める、というのがふだんの過ごし方。会話はちょっとした例外で、通話ははっきりした例外です。

この感覚がつかめると、電車の中は本当にくつろげる時間になります。東京で20分ほど電車に乗っている間が、その日いちばん落ち着いた時間だった、ということもよくあります。

音量の3段階

おおまかな目安はこうです。

  1. 通話:車内では、どんなに小声でもNG。電車を降りるか、新幹線ならデッキを使うか、着くまで待ちます。
  2. 連れとの会話:小声で、短いやりとりならOK。車内の空気を読み、周りが静かなら合わせましょう。
  3. 自分で聴く音(音楽・動画):音漏れしなければイヤホンでOK。隣の人にプレイリストが聞こえていたら、音量が大きすぎます。

もうひとつ、場所によるルールがあります。優先席の近くでは、車内が混んでいるときはマナーモードにするだけでなく電源を切ります。

ルールを破るとどうなるか

たいていは目に見えることは何も起きません。何か言われることもめったにありません。マナーのアナウンスは、特定の誰かではなく「お客さま」全体に向けたものです。人前で注意されるとしたら、せいぜいそのくらいです。よくあるのは、周りの空気がほんの少し冷たくなり、人が半歩離れ、自分でも静けさが気になり始めることです。強制力はほぼそれだけですが、驚くほどよく効きます。

クイズで確認

音量のルールを確認する3問です。

Quick check

Can you spot the right move?

  1. Q1 日本の通勤電車で、短い電話ならしてもいい?

  2. Q2 優先席の近くでは、スマホをマナーモードにし、混雑時は電源を切るべき?

  3. Q3 静かな電車で、連れとカフェくらいの声でおしゃべりしてもいい?