香炉とは何か、なぜ大切なのか
香炉(こうろ)は、日本の多くのお寺で見かける大きな香炉です。本堂の前に常に置かれているものは「常香炉(じょうこうろ)」とも呼ばれ、東京の浅草寺のものがよく知られています。たいていは本堂の前に置かれ、中には灰が満たされていて、一日中ゆっくりと線香の煙が立ちのぼっています。
仏教の考え方では、線香には2つの役割があります。香りは仏様へのお供えで、見返りを求めずに捧げる美しいものです。そして煙そのものには、その場所と参拝者を清める力があります。本堂に向かう前に煙を頭に浴びるのは、お参りに備えて自分を清めるため。線香を香炉に立てるのは、香りを小さなお供えとして捧げるためです。この2つはつながっていて、一度のお参りで両方をする人も多くいます。
多くの日本人にとって、香炉は観光スポットではないということも知っておきましょう。子どものころから慣れ親しんできた真剣な習慣であることも多く、ほかの宗教で育った人が教会でろうそくを灯すのと同じようなものです。観光客が参加するのもたいてい歓迎されていて、礼儀正しく煙を浴びている観光客はごく普通に見かける光景です。ただ、見せ物としてではなく、静かに参加する気持ちで臨みましょう。きちんと参加するか、少し離れて静かに見守るか。その中間の「写真のためにそれらしく演じる」というのが、いちばん印象を悪くします。
まとめると:香炉に近づき、手で煙を頭にあおぐ。息は吹きかけない。線香の本数はお寺のやり方に合わせる。
知っておくと便利なこと
- お土産にお寺の線香を — 日本のお香は、白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)をもとにしたものが多く、独特の香りがします。箱入りのものを売っているお寺の売店もあり、持ち帰れます。帰ってから焚くと、お寺の空気がすぐによみがえります。持ち運びやすい日本のお土産として、とてもおすすめです。
- ろうそく(灯明) — 線香とは別に、小さなろうそくを灯せるようになっているお寺もあります。個人的な願いや祈りを込めて灯すことが多いものです。線香と同じく、すでに燃えている火からもらって灯します。
- 線香の値段 — 香炉のあるお寺では、たいてい近くでお供え用の線香を売っていて、値段も手ごろなことがほとんどです。たくさん買う必要はありません。少しだけお供えするのもごく普通のことです。
- 線香はお寺のもので、神社のものではない — 線香の煙で清める作法は、日本の仏教のお寺のものです。神社では一般に線香はお供えしません。柄杓の置かれた手水舎(水盤)は神社にも多くのお寺にもあるので、水盤だけではどちらかわかりませんが、大きな青銅の香炉があればお寺です。
- お盆とお彼岸の混雑 — お盆(多くの地域では8月中旬、一部の地域では7月中旬)やお彼岸(春分・秋分の前後の1週間)といった仏教の大きな行事の時期には、お寺がふだんよりずっと混み合うことがあります。美しい季節ですが、順番待ちは覚悟して、写真のために列に割り込むのはやめましょう。
クイズで確認
次にお寺を訪れる前に、香炉の使い方を確認しておく3問です。